第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

骨・軟骨

骨・軟骨

Thu. Sep 18, 2014 2:36 PM - 3:30 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:佐志隆士(八重洲クリニック)

[P-1-053] 小児骨年齢計測用0.3TポータブルMRIを用いた大規模被験者計測

寺田康彦1, 稲村真也1, 巨瀬勝美1, 宮城亮2, 藤永康成2, 吉岡大2 (1.筑波大学 数理物質系物理工学域, 2.カルフォルニア大学アーバイン校 放射線科)

【背景】小児の成長指標である骨年齢は、左手の骨のMR画像を用いて判定できる。我々は、遠隔地で骨年齢の検査が可能な0.3TポータブルMRIを開発し、前回大会において報告した。本研究では、この装置を使って多数の被験者計測を行い、骨年齢判定の有用性を検証した。
【実験】3.4~15.6歳までの小児78人(平均9.5歳)に対し、筑波大学数理物質系の倫理委員会の許可の下に本人と保護者より書面による同意を得て計測を行った。C型永久磁石(ギャップ幅8cm、27×39.2×31cm3、135kg)を使用し、3D勾配エコー法(10cm×10cm×2.5cm3、TR/TE = 40/11 ms、FA = 60°、撮像時間 = 1分22秒)により撮像した。判定者A(整形外科), B(放射線科)が骨年齢判定を行った。従来は橈骨、尺骨、指骨の13個の骨を判定に使っていたが、今回は撮像可能領域が限られており、短時間での検査を可能にするため、7個の指骨のみを撮像して判定を行った。比較のため、従来法として手用MRIを用いた撮像と骨年齢判定も行った。
【結果】図(c)に、従来の骨年齢判定(横軸)と、指骨のみを使った判定(縦軸)の相関を示す。高年齢側(およそ10歳以上)では両者の相関は高かったので、指骨のみでも判定が可能であることが示された。一方、若年齢側では有意差があった。この差は、尺骨の成長が他の骨よりも遅いが、指骨のみの判定では尺骨が判定対象に入っていないためである。これを解決するには、尺骨の補正が必要である。