第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

骨・軟骨-シーケンス

骨・軟骨-シーケンス

Thu. Sep 18, 2014 3:30 PM - 4:06 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:杉本英治(自治医科大学 放射線医学教室放射線診断学)

[P-1-055] 肩関節腱板の小さな断裂の診断における、T2WI、STIR画像および1mm厚スライス画像の比較

池田章人1, 菊池好子1, 熊谷英夫2 (1.(公財)東京都保健医療公社大久保病院 放射線科, 2.茨城県立医療大学附属病院)

【目的】腱板断裂の診断において、T2WIを用いるのが一般的である。それに対し、STIRは腱の欠損部分に貯留する関節液がある場合は、断裂が強調されて同定されることがある。しかし、小さな腱板断裂は明瞭に描出できない場合もある。我々は、T2WIとSTIRに加え、小さな受信コイルを用いて撮像した1mm厚スライス画像を比較し、小さな腱板断裂の診断の有用性を比較した。【対象と方法】臨床的に腱板断裂が疑われてMRIを施行し、STIRにて腱板に10mm未満の全層性の異常高信号域が見られた37例を対象とした。シーメンス社製MAGNETOM Symphony 1.5Tを用い、TSE法T2WIとSTIR(TI:150ms)による3mm厚スライス画像の撮像に加え、径4cmのloop coilを用いて2DFT法T2WIによる1mm厚スライス画像を撮像した。【結果】37例の内、T2WIでは32例で腱板に異常高信号域を認めた。loop coilを用いた 1mm厚スライス画像では、その32例全例に異常高信号域を認め、それ以外では異常高信号域は見られなかった。STIRではT2WIと比べ、異常高信号域が大きい例が見られ、異常高信号域の辺縁が比較的不明瞭であった。1mm厚の画像では異常高信号域の大きさは通常のT2WIと明らかに異なる例はなかった。【結語】STIRではT2WIと比べ、棘上筋腱の異常高信号域が、より大きく描出される傾向があった。一方、薄いスライス厚の画像は通常のT2WIと病変の大きさは差がないことから、STIRでの異常高信号域は誇張される可能性が示唆された。