第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

骨格筋-機能評価

骨格筋-機能評価

Thu. Sep 18, 2014 4:06 PM - 4:36 PM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:渡邉康晴(明治国際医療大学 医療情報学)

[P-1-062] 筋機能的MRIを用いた運動に誘発された体幹部腹斜筋の筋活動検出の試み

俵紀行1, 大西貴弘2, 新津守3 (1.国立スポーツ科学センター メディカルセンター, 2.シーメンスジャパン, 3.埼玉医科大学 放射線科)

[目的]運動に誘発された筋活動の評価は、スポーツ医科学では重要な評価項目の1つである。また、近年注目されているのが体幹部の各筋であるため、これらの非侵襲的な評価方法の確立が急がれている。筋活動評価法のひとつに筋機能的MRI(muscle functional MRI:mfMRI)があるが、この方法はT2値が運動に関与した筋の運動直後では特異的に値が上昇する特徴を利用した手法である。そのためmfMRIは筋活動の評価法として積極的に活用されているが、標準的な撮像法によるT2値計測では時間分解能に限界があり、その適応部位は四肢の筋に限定されていた。また、T2値計測の時間短縮化のために用いられる一般的な高速撮像法を用いたT2値計測では空間分解能が極端に低いという問題点がある。そこで、時間分解能および空間分解能の両方に優れたT2値計測法を用い、運動に誘発された断面積の低い腹斜筋群の評価に関する検討を行ったので報告する。[方法]使用装置は3.0T Magnetom Verio (SIEMENS社製)およびbody matrix コイルとspine matrix コイルである。撮像対象は健康な男性健常者5名の右腹斜筋群とした。シークエンスは高速撮像法のdouble-echo-steady-state (DESS)により算出されたT2値を用いた。運動形式として、右側のみへのstanding back rotation stretchを採用し、1セット100回施行した。この運動を5セット行い、MRIは安静時と各セットの運動直後に取得した。統計検定は一元配置の分散分析を用いた。[結果] MR画像では腹斜筋群の三層構造も描写可能であった。DESSの原理から求めたT2 mappingを用いてT2値変化を比較したところ、1セット実施後から、運動に関与したと考えられる内腹斜筋は外腹斜筋と比べてT2値が有意に上昇し、一般的な運動に伴うT2値変化を示した。[結語]時間分解能と空間分解能両方に優れた高速撮像法のDESSを用いることで、断面積の少ない体幹部筋群の筋活動評価は可能であることを確認できた。