[P-1-063] 可変再収束フリップ角を用いた3D-T2強調像における入力T2値およびequivalent TEが四肢関節画像に与える影響
【背景・目的】
撮像目的部位に合わせて再収束パルスのフリップ角(refocusing flip angle:RFA)を変調する技術(tissue-specific variable refocusing flip angle-Turbo Spin Echo:TSV法)を用いた3D撮像法が臨床応用されている.本法は,標的組織のT1値およびT2値を入力することにより,RFAが最適化される.しかし,人体には様々なT1値およびT2値をもつ組織が存在するため,組織間コントラストなどが変化する可能性がある.
本検討の目的は,四肢関節のTSV法T2強調像において,入力T2値(RFA変調)とequivalent TE(TEequiv)の変化が画像に与える影響について検討することである.
【方法】
使用装置は、Philips社製Ingenia 1.5TおよびHead coilである.アガロースとガドリニウム造影剤の濃度を調整し,硝子軟骨と関節液を模擬したファントム(それぞれT1:995.7,1803.8ms,T2:46.5,1508.0ms)を作成した.TR:2500ms,入力T1値およびT2値を硝子軟骨ファントムと同等とし,TEequiv:90msを基準撮像条件とした.基準撮像条件を基に,入力T2値(4msから1000ms)および TEequiv (40msから130ms)を変化させ,硝子軟骨および関節液ファントムそれぞれのSNR,および両ファントム間の信号強度比について検討した.
【結果】
硝子軟骨ファントムに近似したT2値を入力した場合,SNRは最大となり,入力T2値が大きくなるほど低下する傾向であった.一方,関節液ファントムのSNR,および両ファントム間の信号強度比は,入力T2値による変化を認めなかった.
TEequivを延長すると,両ファントム間の信号強度比は高値を示したが,SNRは低下傾向を示した.
【結論】
四肢関節TSV法T2強調像では,目的撮像組織に最も近似したT2値を入力することが重要である.また,TEequivを長く(90ms程度)設定することで硝子軟骨および関節液ファントム間の高い信号強度比を得ることができる.
撮像目的部位に合わせて再収束パルスのフリップ角(refocusing flip angle:RFA)を変調する技術(tissue-specific variable refocusing flip angle-Turbo Spin Echo:TSV法)を用いた3D撮像法が臨床応用されている.本法は,標的組織のT1値およびT2値を入力することにより,RFAが最適化される.しかし,人体には様々なT1値およびT2値をもつ組織が存在するため,組織間コントラストなどが変化する可能性がある.
本検討の目的は,四肢関節のTSV法T2強調像において,入力T2値(RFA変調)とequivalent TE(TEequiv)の変化が画像に与える影響について検討することである.
【方法】
使用装置は、Philips社製Ingenia 1.5TおよびHead coilである.アガロースとガドリニウム造影剤の濃度を調整し,硝子軟骨と関節液を模擬したファントム(それぞれT1:995.7,1803.8ms,T2:46.5,1508.0ms)を作成した.TR:2500ms,入力T1値およびT2値を硝子軟骨ファントムと同等とし,TEequiv:90msを基準撮像条件とした.基準撮像条件を基に,入力T2値(4msから1000ms)および TEequiv (40msから130ms)を変化させ,硝子軟骨および関節液ファントムそれぞれのSNR,および両ファントム間の信号強度比について検討した.
【結果】
硝子軟骨ファントムに近似したT2値を入力した場合,SNRは最大となり,入力T2値が大きくなるほど低下する傾向であった.一方,関節液ファントムのSNR,および両ファントム間の信号強度比は,入力T2値による変化を認めなかった.
TEequivを延長すると,両ファントム間の信号強度比は高値を示したが,SNRは低下傾向を示した.
【結論】
四肢関節TSV法T2強調像では,目的撮像組織に最も近似したT2値を入力することが重要である.また,TEequivを長く(90ms程度)設定することで硝子軟骨および関節液ファントム間の高い信号強度比を得ることができる.