[P-1-068] 拡散尖度画像と定量的磁化率画像を用いたパーキンソン症候群の早期鑑別診断
【目的】パーキンソン症候群 (パーキンソン病[PD]、多系統萎縮症[MSA]、進行性核上性麻痺[PSP])の早期鑑別診断に関する画像診断技術はまだ十分確立していない。そこで、拡散尖度画像 (DKI)と定量的磁化率画像 (QSM)を用いて、本症の発症早期における基底核・脳幹・小脳の微細構造変化の検出および鑑別診断の可能性について検討した。
【方法】3T MRI装置 (Discovery750, GE)を用い、発症早期のPD 13例、MSA 8例、PSP 5例に対しDKIとQSMを撮像した。自作ソフトウエアを用いてmean kurtosis (MK), fractional anisotropy (FA), mean diffusivity (MD)、magnetic susceptibility (MS)画像を作成した。Advanced Normalization Toolsを用いて解剖学的標準化を行った後、JHU Atlas等に基づき基底核・脳幹・小脳の各構造の平均MK, FA, MD, MS値を算出し、各群間の差異を比較検討した。また、従来の画像指標(MR parkinsonism index、123I-MIBG scintigraphy)との比較も行った。
【結果・考察】DKIでは、PD群に比し、PSP群では、尾状核・淡蒼球・黒質・赤核・中脳被蓋・上小脳脚のMK値および赤核・小脳白質のFAが有意に低下し、淡蒼球・赤核・中脳被蓋・小脳白質のMD値が有意に上昇した。MSA群では、橋横走線維・中小脳脚のMK値および橋横走線維・小脳白質のFA値が有意に低下していた。MKはFAやMDよりも灰白質・白質構造の軽微な変化を検出することができた。またQSMでは、PD群に比し、PSP群およびMSA群では、被殻のMS値が有意に上昇しており、組織内鉄濃度の上昇が示唆された。QSMによって、鉄沈着の軽微な変化を検出することができた。一方Conventional画像では、いずれの群においても差異は認められなかった。
【結論】DKIおよびQSM解析によって、発症早期のパーキンソン症候群における基底核・脳幹・小脳の軽微な変化を検出することができ、早期鑑別診断に有用である可能性が示唆された。
【方法】3T MRI装置 (Discovery750, GE)を用い、発症早期のPD 13例、MSA 8例、PSP 5例に対しDKIとQSMを撮像した。自作ソフトウエアを用いてmean kurtosis (MK), fractional anisotropy (FA), mean diffusivity (MD)、magnetic susceptibility (MS)画像を作成した。Advanced Normalization Toolsを用いて解剖学的標準化を行った後、JHU Atlas等に基づき基底核・脳幹・小脳の各構造の平均MK, FA, MD, MS値を算出し、各群間の差異を比較検討した。また、従来の画像指標(MR parkinsonism index、123I-MIBG scintigraphy)との比較も行った。
【結果・考察】DKIでは、PD群に比し、PSP群では、尾状核・淡蒼球・黒質・赤核・中脳被蓋・上小脳脚のMK値および赤核・小脳白質のFAが有意に低下し、淡蒼球・赤核・中脳被蓋・小脳白質のMD値が有意に上昇した。MSA群では、橋横走線維・中小脳脚のMK値および橋横走線維・小脳白質のFA値が有意に低下していた。MKはFAやMDよりも灰白質・白質構造の軽微な変化を検出することができた。またQSMでは、PD群に比し、PSP群およびMSA群では、被殻のMS値が有意に上昇しており、組織内鉄濃度の上昇が示唆された。QSMによって、鉄沈着の軽微な変化を検出することができた。一方Conventional画像では、いずれの群においても差異は認められなかった。
【結論】DKIおよびQSM解析によって、発症早期のパーキンソン症候群における基底核・脳幹・小脳の軽微な変化を検出することができ、早期鑑別診断に有用である可能性が示唆された。