[P-1-077] 1.5T MRIにおけるMulti-Band EPIを用いたDiffusion Tensor Imagingおよびtractographyへの応用
【目的】
近年、多断面同時励起技術「Multi-Band EPI」を用いた研究ならびに臨床応用されている。この技術は、撮像枚数増加と撮像時間短縮が可能で高磁場・高スリューレートでのメリットが大きく、その報告も多い。今回は1.5T MRIにてその技術を使用した場合、撮像条件や得られる画像にどのような特徴が現れるか把握・理解することを目的とした。
【対象と方法】
対象は健常人ボランティア男性5名(年齢26.0歳)。Siemens 1.5T MAGNETOM AVANTO BA17、12ch head coilを用いて、MPG 30軸(b0 image = 6)、b-value 1000 [s/mm2]、2.5mm等方性ボクセルを一定条件とし、Multi-Band factor (MB factor)及びGRAPPA factor (G factor)を変化させてDiffusion Tensor Imaging (DTI)を撮像し、従来法のDTI (MB factor =1、G factor = 2)と比較した。その他の撮像条件はTE = 71.0~85.0 [ms]、TR=5000~6800 [ms]、撮像時間は195~272 [sec]。従来法と比較したMB factorとG factorの組み合わせは、4種類とし、組み合わせを示す。(MB factor :G factor) = (2:1)、(2:2)、(3:1)、(3:2)。得られた画像からADC、FAを算出し視覚評価した。また、錐体路および脳梁のDiffusion Tensor Tractography (DTT)を各撮像条件毎に描出し比較した。更に、描出した錐体路におけるtract specific analysis (TSA)を行い、t検定を行った。DTT解析はDiffusion Toolkitを用い、DTT描出はTrackVisを用いた。
【結果】
全MB factorとG factorを併用した場合、画像の信号ムラが生じ、小脳近傍や前頭葉などの磁化率や歪みの影響が現れやすい領域でその傾向が現れた。MB factorのみ使用した場合、撮像時間は従来法よりも約3割短縮可能だが、G factorが未使用のため、画像の歪みが大きくなるデメリットも生じた。錐体路のTSAでは、MB factor =3、G factor = 2の撮像条件のみFA、ADCともに有意差(p<(全角)0.05)が生じた。
【結論】
1.5T MRIにて、MB factorの変化およびG factor併用時による撮像条件や画像への影響を把握した。更なる撮像条件の比較や改善を行い、最適化を図ることが今後の課題である。
近年、多断面同時励起技術「Multi-Band EPI」を用いた研究ならびに臨床応用されている。この技術は、撮像枚数増加と撮像時間短縮が可能で高磁場・高スリューレートでのメリットが大きく、その報告も多い。今回は1.5T MRIにてその技術を使用した場合、撮像条件や得られる画像にどのような特徴が現れるか把握・理解することを目的とした。
【対象と方法】
対象は健常人ボランティア男性5名(年齢26.0歳)。Siemens 1.5T MAGNETOM AVANTO BA17、12ch head coilを用いて、MPG 30軸(b0 image = 6)、b-value 1000 [s/mm2]、2.5mm等方性ボクセルを一定条件とし、Multi-Band factor (MB factor)及びGRAPPA factor (G factor)を変化させてDiffusion Tensor Imaging (DTI)を撮像し、従来法のDTI (MB factor =1、G factor = 2)と比較した。その他の撮像条件はTE = 71.0~85.0 [ms]、TR=5000~6800 [ms]、撮像時間は195~272 [sec]。従来法と比較したMB factorとG factorの組み合わせは、4種類とし、組み合わせを示す。(MB factor :G factor) = (2:1)、(2:2)、(3:1)、(3:2)。得られた画像からADC、FAを算出し視覚評価した。また、錐体路および脳梁のDiffusion Tensor Tractography (DTT)を各撮像条件毎に描出し比較した。更に、描出した錐体路におけるtract specific analysis (TSA)を行い、t検定を行った。DTT解析はDiffusion Toolkitを用い、DTT描出はTrackVisを用いた。
【結果】
全MB factorとG factorを併用した場合、画像の信号ムラが生じ、小脳近傍や前頭葉などの磁化率や歪みの影響が現れやすい領域でその傾向が現れた。MB factorのみ使用した場合、撮像時間は従来法よりも約3割短縮可能だが、G factorが未使用のため、画像の歪みが大きくなるデメリットも生じた。錐体路のTSAでは、MB factor =3、G factor = 2の撮像条件のみFA、ADCともに有意差(p<(全角)0.05)が生じた。
【結論】
1.5T MRIにて、MB factorの変化およびG factor併用時による撮像条件や画像への影響を把握した。更なる撮像条件の比較や改善を行い、最適化を図ることが今後の課題である。