第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

脳・脊髄-拡散

脳・脊髄-拡散2

Thu. Sep 18, 2014 2:48 PM - 3:42 PM ポスター会場 (5F 通路)

座長:堀正明(順天堂大学医学部 放射線医学講座)

[P-1-078] RESOLVEを用いた内耳神経描出の検討

山崎雅史1, 小野寺聡之1,2,3, 八木一夫1,3, 丹綾香1, 大山薫3, 中原晶子2, 藤浪喜久夫2 (1.首都大学東京大学院人間健康科学研究科, 2.東京都保健医療公社豊島病院 放射線科, 3.首都大学東京 健康福祉学部)

[目的]
脳神経線維描出法であるDTTはsingle shot EPIを用いたDWIを撮像し,そのデータを解析することで作成される.single shot EPIの問題点の1つに空気の磁化率による画像歪みがある.鼻腔や内耳道といった脳実質と空気の境界となる領域にでは画像の歪みによりDTT描出不能となってしまうことがある.第8脳神経である内耳神経は,空気近傍を通過する線維である.従来のDTTでは,空気の磁化率による歪みの影響で描出することは難しかった.そこで,single shot EPIの歪み低減法の1つであるReadout Segmentation Of Long Variable Echo-trains (RESOLVE)を用いてDWIを撮像することで内耳神経の描出が可能かどうかを検討した.
[使用機器]
装置:1.5T MRI(Magnetom Aera;Siemens Japan)
画像処理:IDL6.4(ITTvis),SPM8(University College London),MRIcro(Dr.Chris Rorden),Image J(Broken Symmety Software)
[方法]
対象は本研究に同意を得た健常ボランティア.従来のssEPI-DWIおよびRESOLVE-DWIの撮像を行った.DWIおよびRESOLVE-DWIは30軸で撮像した.撮像したデータに対してSPM8を用いてT1WIとの歪み補正を行い,内耳神経のDTTを作成した.作成したDTTはT1WI,CISSへ重ね合わせを行った.重ね合わせた画像に対し,DTT解析の経験が十分にある診療放射線技師および放射線科専門医が視覚評価を行った.
[結果・考察]
健常ボランティアを対象としたRESOLVE-DWIから,内耳神経のDTTを作成することは可能であった.DWIの歪み補正に関し,Readout方向を分割することでecho spaceの短縮が可能となり,DWIの歪みが低減できた.しかし,ssEPI-DWIは歪みが大きく,内耳神経のDTTを作成することは出来なかった.今後は健常ボランティアにおいて軸、RESOLVE分割数やb値といったパラメータの検討を行い精度の向上を図りたい.また聴神経腫瘍を罹患する患者さんの撮像を行い,内耳神経のDTTを作成し術前の手術計画に導入可能か検討する.