[P-1-086] 異方性を考慮した拡散尖度画像を推定する手法(eDKI)の応用に向けての検討
【背景と目的】
拡散尖度イメージング(DKI)は臨床に広がりつつあるが, 従来の拡散強調画像と比較して撮像データの増大による検査時間の延長や, 計算の複雑化による計算画像のエラー増加が今なお問題である. 特に後者のため画像による評価はエラーが少ない代わりに異方性を評価できない平均画像(mean K)に限定されることが多い. これらの問題を解決するために我々は従来よりも少ない拡散測定軸数(MPG軸数)からでも拡散異方性を加味した計算画像を安定して推定する方法をファントム実験により検討してきた. 今回の研究の目的は脳画像を用いて手法の意義について検討することである.
【方法】
健常者3名の脳拡散強調画像を用いて検討を行った. 画像は3T装置(Skyra: SIEMENS)を用い, b-valueは0, 500, 1500, 2000, 2500sec/mm2の5通り, MPG軸は各b-valueに対し, 64軸撮像した. 信号収集にSegmented EPI (RESOLVE)を使用した. 得られた画像データより従来法 (2005, Jensen et al.)および提案法(eDKI)を用いて神経線維に対して平行, 垂直なK値を計算し, mapping画像, および関心領域内の数値を比較した.
【結果】
eDKIは従来法と比較して, 少ないMPG軸数からの計算でもよりエラーの少ないmapping画像を得ることができた. 一方, 得られるK値は従来法と比較して低下する傾向が見られ, ファントム実験の傾向に一致した.
【結論】
eDKIは脳画像の評価にも有用であると考えるが従来法との比較には注意を要する.
拡散尖度イメージング(DKI)は臨床に広がりつつあるが, 従来の拡散強調画像と比較して撮像データの増大による検査時間の延長や, 計算の複雑化による計算画像のエラー増加が今なお問題である. 特に後者のため画像による評価はエラーが少ない代わりに異方性を評価できない平均画像(mean K)に限定されることが多い. これらの問題を解決するために我々は従来よりも少ない拡散測定軸数(MPG軸数)からでも拡散異方性を加味した計算画像を安定して推定する方法をファントム実験により検討してきた. 今回の研究の目的は脳画像を用いて手法の意義について検討することである.
【方法】
健常者3名の脳拡散強調画像を用いて検討を行った. 画像は3T装置(Skyra: SIEMENS)を用い, b-valueは0, 500, 1500, 2000, 2500sec/mm2の5通り, MPG軸は各b-valueに対し, 64軸撮像した. 信号収集にSegmented EPI (RESOLVE)を使用した. 得られた画像データより従来法 (2005, Jensen et al.)および提案法(eDKI)を用いて神経線維に対して平行, 垂直なK値を計算し, mapping画像, および関心領域内の数値を比較した.
【結果】
eDKIは従来法と比較して, 少ないMPG軸数からの計算でもよりエラーの少ないmapping画像を得ることができた. 一方, 得られるK値は従来法と比較して低下する傾向が見られ, ファントム実験の傾向に一致した.
【結論】
eDKIは脳画像の評価にも有用であると考えるが従来法との比較には注意を要する.