[P-2-109] 8ch-dS wrist coilを用いた3D-mFFEにおける画質評価
【目的】当院では三角線維軟骨複合体(TFCC)精査目的の検査において, Microscopy 47mm coilを用いたmultiple Fast Field Echo (mFFE) による撮像を行っていた. 現在, Philips Ingenia 1.5TとdS Wrist 8ch coilが導入され, 高いSENSE factorによる撮像時間の短縮が可能となり, 高空間分解能な3D-mFFEの撮像を行っているが, 臨床に使用可能なSENSE factorについてはまだ検証していないという問題点がある. そこで今回, dS Wrist 8ch coilを用いた3D-mFFEの撮像について, SENSE factorの違いによる画質評価を行ったので報告する. 【使用機器】PHILIPS社製Ingenia 1.5T (R5.1.2) , dS Wrist 8ch coil, Invivo社製wrist用ボトルファントム【方法】まず, 本検討に同意を得られた健常ボランティアとファントムに対して, 位相方向のSENSE factorを2.5~5.0まで0.5間隔で可変して撮像し, 臨床上使用可能なSENSE factorを決定した. 次にファントムを用いて, 上記により決定したSENSE factorと同程度の撮像時間となるよう, 位相方向とスライス方向のSENSE factorを可変したもの (位相方向/スライス方向 : 3.5/1.0, 3.0/1.26, 2.5/1.55, 2.0/1.9, 1.5/2.56, 1.0/3.85) を撮像し展開エラーについて視覚的に評価した. 【結果】健常ボランティアとファントムによる撮像において, 検査に使用可能な画質を保つことができる位相方向のSENSE factorは3.5までとした. このときと同程度の撮像時間となるSENSE factorのなかで, 最も視覚的に良い画像が得られた組み合わせは, 位相方向が3.0, スライス方向が1.26となった. 【結語】dS Wrist 8ch coilを用いて現実的な撮像時間で3D-mFFE撮像を行う場合, 最も良好な画像が得られるSENSE factorの組合せは, 位相方向が3.0, スライス方向が1.26であった.