[P-2-119] 7T MRIでのオンラインEPI歪み補正
【目的】超高磁場MRIは,その高いSNRを活用して高解像度な撮像が可能である.しかし,EPIではマトリクスサイズに比例して画像歪みが顕著となるため,高解像度EPIによる高精度な脳機能計測を行うためには,大量のデータに対する効率のよい画像歪み補正処理が不可欠である.そこで本研究では,EPI画像のローデータに対する画像歪みの推定・補正処理をヒト用7T-MRI装置に実装し,その効果を検証した.【方法】本研究では,画像歪みの原因の一つとして,ローデータに含まれる位相誤差の一次成分に着目した.まず,k空間中心を通るリードアウトラインをフーリエ変換し,隣り合う画素の自己相関より位相誤差の一次成分を推定した.つぎに,ローデータ全体から当該一次位相誤差を除去することで画像歪みの改善を図った.このような処理を,シーメンス社の提供するパルスシーケンスプログラミング環境IDEA,および画像再構成プログラミング環境ICEを用いて同社MAGNETOM 7T装置における撮像・画像再構成処理のフローに実装した.【結果】ファントムを用いて高解像度(512×512)のEPI画像を撮像し,開発した処理を通して再構成を行ったところ,画像歪みの軽減が確認できた.本法は,フィールドマップ等の追加撮像や種々の後処理が不要で,高分解能脳機能計測に有効であると考えられる.