[P-2-136] 頚動脈プラーク撮像法の比較-磁場強度の相違-
【目的】頸部プラーク診断において, T1コントラストは非常に重要である. プラーク診断においては, プラークと筋組織の相対信号強度比(SIR)を用いる報告が多い. 磁場強度の大小においてそれぞれの施設で病理と対比し, SIRを用いて診断に用いている. 一方で,磁場強度の大小でどの程度の差があるのか検証した報告は少ない. 今回我々は自作ファントムを用いて1.5Tと3.0T装置を用い, 定量評価においてどの程度相違が生じるのか, 検討をおこなったので報告する.【方法】使用装置はGE社製1.5T Signa HDxt, 3.0T Discovery750w. 検査に用いる受信コイルを用いた. 画像均一フィルターも付加した. 血液(T1値:1057ms), 血管壁(T1値:972ms), 出血性プラーク(T1値:406ms), 筋肉(T1値:819ms)を模した4つの自作ファントムを用いた. 出血性プラーク/筋肉, 出血性プラーク/血管壁コントラストを求め比較較討した.ファントムの位置は各コイルの頸部を想定した位置に置いて撮像をおこなった.比較撮像シーケンスは3D CUBE,3D IR-SPGR, 2D FSE,2D SEを用い, それぞれ若干の撮像パラメータを変化させた.【結果・まとめ】すべての撮像シーケンスで,同一撮像パラメータにおいて,3T装置のほうがSIRは低い値となった.1.5T装置と比較して,T1値が長いことが影響する.3T装置の報告値で,1.5T装置のプラーク診断またその逆の場合も,定量値を用いた場合は,診断に影響することが示唆された.