[P-2-137] 複数の施設における頸動脈プラーク撮像法の多施設共同研究:撮像条件の標準化に向けた基礎的検討
[目的]頚動脈プラークMRI検査ではT1コントラストが重要であることが知られている. 一般的にプラークと胸鎖乳突筋との信号強度比(SIR)を用いて性状評価が行われているが, T1強調画像の撮像法および撮像条件に対する標準化は確立されていない. 第41回日本磁気共鳴医学会大会で中らのグループによりSE系シーケンスが標準化として適切であることが報告されている. 今回我々はSE系シーケンスによる同一撮像条件下において, 各施設の装置および受信コイルの相違がSIRに与える影響を検討したので報告する.[方法]装置はGeneral Electric healthcare社製1.5T MR装置(SIGNA HDxt ver15, ver23, SIGNA HDe ver 15, SIGNA excite ver.11.1,ver12)で, 受信コイルは各施設で頸部プラーク診断に使用するコイル (Head Neck Spine コイル, CTL spine コイル, Neuro Vascularコイル)で行った. 出血性プラークと筋肉を模した自作ファントムを用い, T1 SE法およびT1 高速SE法で撮像を行った. 撮像条件はSE法でTR(400, 500, 600), 高速SE法でTR(400, 500, 600),ETL(2, 3, 5)を可変させて撮像を行い, SIRから変動係数を算出し比較検討した.[結果]高速SE法よりSE法の方が変動係数は小さい値を示した. SE,高速SE共にTRが延長するほど変動係数は小さい値を示した.[結論]T1wによるプラーク診断におけるSIRの評価は, 高速SEよりSE法の方が適している. またTRを延長させた方が施設間のバラつきが少なくなる. しかし TR延長に伴いSIRは減少傾向を示すため、この点に留意する必要があると考える.