[P-2-146] Fiber Trackingによる弓状束の左右の比較の検討
【背景】大脳は部位毎に役割があり,その機能の中でも,一側優位性の機能を持つ部位がある.その代表として言語野が挙げられる.言語野はWernicke野とBroca野から成立し,両者を結ぶ連合線維束AFは,単語の理解や意味のある発話に関与している.Knechtらは,利き手と音声言語機構の一側優位化の関係を脳に損傷ない人を対象に行った結果,右半球に音声言語の優位を示した割合は右利きでは4%,両利きで15%,左利きでは27%であった.そして,左半球に音声言語をもつ人が90%であることを発見した.また,余剰な神経回路連絡は成長過程の中で除去されていることがHyvarinen Jらの研究から分かっている.
【目的】本研究では, MRIのDiffusion Tensor Tractography(DTT)法を用いてfunctional MRIの賦活部位をTractographyの起点として弓状束を描出し,一側優位性であるAFの左右の類似性を検討する.
【使用機器】1.5T MR装置(Siemens Aera),プログラム開発環境:IDL5.5(ITTVIS),SPM8(University College London),MRIcro(Dr.Chris Rorden),Image J(Broken Symmety Software)
【方法】対象は同意を得た健常ボランティア.撮像はT1WI(TR/TE:1700/267ms),DTI(TR/TE:9000/90ms)を行い,tractographyのROIとして,fMRI(TR/TE:3000/50ms)の撮像を行った.MATLAB7.1を用いて補正の前処理を行い,研究室で独自に開発したソフトウェアを用いてtractographyを作成した.fMRIは,ブロックデザインとしタスクは一人しりとりを行って撮像した.fMRIから得られたROIを用いてAFを描出し,AFの通過部位を比較した.また,得られたAF自体をROIとしてFA mapよりFA値を算出した.
【結果】fMRIは同じp値で描出するとブローカ野の賦活の大きさに差が見られた.神経線維の走行を比較した結果,神経走行に類似性が見られた.FA値を算出した結果,AFの左右差に有意が見られなかった.
【考察】 AFという神経線維に着目すると,神経線維に左右の差が見られなかった.よって,劣位側のAFは脳の中で余剰な神経回路連絡としてみなされておらず,神経回路として優位側と同等の神経線維としての役割を果たしていることが示唆された.
【目的】本研究では, MRIのDiffusion Tensor Tractography(DTT)法を用いてfunctional MRIの賦活部位をTractographyの起点として弓状束を描出し,一側優位性であるAFの左右の類似性を検討する.
【使用機器】1.5T MR装置(Siemens Aera),プログラム開発環境:IDL5.5(ITTVIS),SPM8(University College London),MRIcro(Dr.Chris Rorden),Image J(Broken Symmety Software)
【方法】対象は同意を得た健常ボランティア.撮像はT1WI(TR/TE:1700/267ms),DTI(TR/TE:9000/90ms)を行い,tractographyのROIとして,fMRI(TR/TE:3000/50ms)の撮像を行った.MATLAB7.1を用いて補正の前処理を行い,研究室で独自に開発したソフトウェアを用いてtractographyを作成した.fMRIは,ブロックデザインとしタスクは一人しりとりを行って撮像した.fMRIから得られたROIを用いてAFを描出し,AFの通過部位を比較した.また,得られたAF自体をROIとしてFA mapよりFA値を算出した.
【結果】fMRIは同じp値で描出するとブローカ野の賦活の大きさに差が見られた.神経線維の走行を比較した結果,神経走行に類似性が見られた.FA値を算出した結果,AFの左右差に有意が見られなかった.
【考察】 AFという神経線維に着目すると,神経線維に左右の差が見られなかった.よって,劣位側のAFは脳の中で余剰な神経回路連絡としてみなされておらず,神経回路として優位側と同等の神経線維としての役割を果たしていることが示唆された.