頭頸部-シーケンス

[P-2-160] T1WIにおけるPSS法の検討

^〇野田誠一郎¹, 豊成信幸¹, 竜由香梨¹, 片平和博² (1.国家公務員共済組合連合会熊本中央病院　放射線部, 2.国家公務員共済組合連合会熊本中央病院　放射線科)

（目的）
近年、3D-TSE系のシーケンスにおいて可変型再収束パルスであるVariable Refocusing Flip Angle（以下VRFA）を用いSAR低減や組織コントラスト改善を目的として検討がなされている。今回、WIPにて2D-TSEで　PseudoSteady State（以下PSS）型VRFAが使用可能となり、基礎的検討を行ったので報告する。
（使用装置）
PHILIPS社Ingenia3.0T R4.1.3、自作ファントム
（方法）
使用したシーケンスは2D-T1WI、TR500、TE15、TSEfactor4、k-space order Low-Highである。VRFAについて4パターン①CONSTANT（160°固定）、②SWEEP（60°まで下げる）、③PSS（一度60°まで下げて160°まで上げる）④PSS（③にdummy pulse1(以下dp1）を入れた場合）を比較検討した。
1、ファントムによるSNR測定
2、ファントムによるコントラスト評価
3、同意の得られたボランティアでの視覚的評価
（結果）
SNR測定にて検定を行った結果、④PSS(dp1)において他者との間に有意差があった。また、コントラストは同等であった。視覚的評価にては鮮鋭度、ボケ共に①CONSTANTと④PSS(dp1)は同等であった。
（考察、まとめ）
4パターンの撮像の比較を行い、PSS(dp1)が総合的に良いという結果となった。撮像時間はCONSTANT(5:58)、PSS(dp1)(3:35)であり、時間短縮が可能である。考察としてはVRFAを下げたことによるSAR低減がおこり、結果的に時間短縮が可能であると考えられる。また、SNRについてはk-space orderがLow-Highのため低周波領域にFlip Angleの低い信号が入ることで安定した信号が充填されたためであると考えられる。