[P-3-202] 1.5T-MRI dual FA法を用いた肝臓T1mapにおけるB1補正の必要性
【目的】肝臓領域のT1値の測定は,肝機能の評価に有用である。前大会において3.0T-MRIではB1不均一の影響が大きく正確なT1値を得ることが困難であり,B1補正により均一なT1mapが得られることを報告した。今回我々は3.0T-MRIに比べてB1の不均一性が小さいとされる1.5T-MRIにおけるdual FA法を用いた肝臓T1mapのB1補正の必要性を検討した.【方法】対象は肝腫瘍が疑われた50症例で,Siemens Aera1.5Tを用いてGd-EOB-DTPA造影MRIを行った.T1mapを造影前と造影20分後に撮像しB1補正の有無の画像を作成した.肝門部レベルで外側区,内側区,前区,後区の4点におけるT1を測定しreduction rate of T1 relaxation time (RR-T1)およびΔR1を算出し,区域ごとのばらつきを調べた.また,ICG試験の行われた22例について,ICG-15と造影前後のT1,RR-T1およびΔR1との相関を比較した.【結果】B1補正なしの場合,肝実質の平均T1値は714 msであった.造影前後のT1およびΔR1は区域ごとに有意差が認められた(Table 1).B1補正ありの場合の肝実質の平均T1値は852msで,造影前後のT1,RR-T1,ΔR1のいずれにおいて区域による違いは認められなかった(Table 2).ICG-15との相関はB1補正の有無に依らず,造影後T1やRR-T1,ΔR1で有意な相関を認めた.【結論】1.5T-MRI dual FA法を用いた肝臓のT1値測定にはB1補正が必要であるが,EOB造影MRIによる肝機能評価においてはB1不均一の影響は少ないと考えられた.