第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

マイクロイメージ・基礎

マイクロイメージ・基礎

Sat. Sep 20, 2014 9:30 AM - 10:12 AM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:服部峰之(産業技術総合研究所 電子光技術研究部門光センシンググループ)

[P-3-211] Diffusion Tensor Imagingのための性能評価ファントムの開発
-経時的安定性と複数個作成時の画一性の評価-

橘篤志1,2,3, 小畠隆行3, 佐野ひろみ4, 立花泰彦3, 川口拓之4, 福士政広2 (1.Stanford University School of Medicine Division of Cardiovascular Medicine, 2.首都大学東京大学院人間健康科学研究科, 3.放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター, 4.放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター)

【目的】Diffusion Tensor Imaging(DTI)は水拡散の方向依存性を表した撮像法であり,見かけの拡散係数や拡散異方性を定量できる。DTIは定量的な指標を求める事が可能であり広く応用されているが,その値を客観的に評価する方法は確立されていない。われわれは拡散異方性をもつDyneema(Dy)線維を利用したDTIファントムに関して昨年の本学会にて発表を行った[1]。本研究の目的は,このファントムの経時的安定性と複数固作成時の画一性を評価する事である。
【方法】Dyとの比較のため,構造が既知の毛細管を配置したガラス製のキャピラリープレート(CP)を使用した。サンプルを直径10 mmの円筒形サンプルケースにそれぞれ入れ平行に設置し撮像を行った。MRI装置はSIEMENS社製 MAGNETOM Verio 3.0 T,12ch Head-Coilを使用した。撮像シーケンスはRESOLVE[2]をSegment数5にて用いた。撮像条件はFOV 200 mm,Matrix 100,Slice thickness 2.0 mm,TR 5000 ms,TE 96 ms,Average 2,b-value 0, 1000 s/mm2,MPG 12軸とした。撮像結果のサンプル部にROIを作成しFA,ADCを計測した。
【結果】3ヵ月前後の比較では,CPはFA=0.753からFA=0.748,ADC=1.05×10-3 mm2/sからADC=1.03×10-3 mm2/sとなった。DyはFA=0.543からFA=0.539,ADC=1.28×10-3 mm2/sからADC=1.26×10-3 mm2/sとなった。CP・DyともにFA・ADCは同傾向に減少していることから,装置の特性の変化に起因している可能性が大きい。Dy7本を測定して画一性を評価すると,FA=0.537±0.0165 (CV=0.0308),ADC=1.27±0.0282×10-3 mm2/s (CV=0.0222)となり,ファントム間でのばらつきは小さかった。
【結論】Dyを用いたファントムのFA,ADCは経時的変化もなく,複数個作成時のばらつきも少なかった。この結果はDyファントムがDTI定量評価に有用であることを示唆している。
【文献】[1]橘篤志. 他. 第41回日本磁気共鳴医学会大会. 2013; P-3-203.
[2]David A.P. et al. Magn Reson Med. 2009;62:468-475.