第42回日本磁気共鳴医学会大会

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ポスター

安全管理

安全管理

Sat. Sep 20, 2014 9:30 AM - 10:06 AM ポスター会場 (5F ロビー)

座長:川光秀昭(神戸大学医学部附属病院 放射線部)

[P-3-225] 高知県におけるMRI装置の事前調査状況~南海トラフの災害に備えて、私達ができることは?~

水口紀代美1, 岡林正光2, 村田和子3, 中井敏晴4 (1.医療法人治久会もみのき病院 放射線科, 2.公益社団法人高知県診療放射線技師会, 3.企業団立高知医療センター 放射線科, 4.国立長寿医療研究センター 神経情報画像開発研究室)

【目的】平成23年3月11日に発生した東日本大震災による医療機関の被災状況が次々に公表されている。高知県においては、南海トラフを震源とする南海大地震が起こりうると想定されており、医療機関の被災による医療機器の破損や長期の使用停止は、病気や外傷時の画像診断を行うことが不可能となり、治療開始が滞る可能性も否定できない。またMRI装置については、地震の揺れによるクエンチング発生や永久磁石による磁性体吸着事故等の危険性があり、災害時の救援・救護活動を行う際にリスクともなる。そこで、高知県の現在のMRI装置の状況を把握し高知県全体において地震時の対応・対策をすすめる為に、アンケート調査を行った。
【方法】新医療に記載されている医療施設にアンケートを送付し、高知県内のMR稼働状況・建物の建築年月・建物の構造・MRI装置の固定方法・非常電源からの電源供給などについて検討を行った。
【結果】アンケート調査の回収率は、31施設回答あり/65施設中 回収率47.7%であった。建物の構造については、耐震構造が71%・免震構造が6%・その他(不明含む)が23%であった。MR装置の固定方法については、70%が何らかの固定をしており、20%が非固定であった。非常電源においても、高知県ではほとんどの施設が電源を供給できない状況であった
【考察】今回の集計において、まだまだ高知県ではMRI装置に対する対応が遅れていると感じた。MRI装置に携わる者として、設置者に対する働きかけや色々な手段を用いて、災害時におけるMRI装置の安全管理を広報し、少しでも被害を最小限に食い止める活動をしなくてはならないと感じた。
【結論】高知県におけるMRI装置の現状について調査を行った。今後は災害時におけるMRI装置の安全管理に関する指針や調査結果を元にして、MRI装置の安全取扱、対応策について高知県全域に広げるべく、技師会等にて検討を行って行きたいと思う