[S4-4] 細胞膜水透過性の拡散強調MRIに対する影響:アクアポリン発現細胞から得られる知見
拡散強調MRI(DWI)はすでに広く臨床の場で使われており、その有用性に関しては議論の余地はない。近年、ハードウェア・画像解析の進歩により、強い拡散強調下で多くの方向に傾斜磁場をかけながら安定した画像を得ることが可能となっている。これらのMR信号から生体内の水拡散を解析するモデルは多く報告されているが、細胞膜を壁と考えるモデルで水透過性を考慮に入れたものは少なく、また、その実証は簡単ではない。
アクアポリン(AQP)は細胞膜に存在するタンパクで、細胞内外の水交換に重要な役割を果たすことが知られている。細胞膜の水透過性は、このアクアポリンの発現に大きく影響されるため、発現をあらかじめ制御した細胞での実験により、DWIに対する細胞膜水透過性の影響を確認することができる。
我々が7T MRIで行った研究では、小さいb値(250~1500s/mm2)で得たADCマップは、AQP4発現よりも細胞密度の影響を強く受けていると考えられた。これに対し、大きいb値(4000~8000s/mm2)で得たADCマップでは明瞭にAQP4発現の違いを観測することができた(Fig. 1)。また、拡散時間を長くとることで、この変化はより顕著になった。
本報告では細胞膜水透過性を含む生体拡散モデルを紹介するとともに、それらを用いて実験で得られたデータを解析し、細胞内外の水交換時間算出を試みる。
アクアポリン(AQP)は細胞膜に存在するタンパクで、細胞内外の水交換に重要な役割を果たすことが知られている。細胞膜の水透過性は、このアクアポリンの発現に大きく影響されるため、発現をあらかじめ制御した細胞での実験により、DWIに対する細胞膜水透過性の影響を確認することができる。
我々が7T MRIで行った研究では、小さいb値(250~1500s/mm2)で得たADCマップは、AQP4発現よりも細胞密度の影響を強く受けていると考えられた。これに対し、大きいb値(4000~8000s/mm2)で得たADCマップでは明瞭にAQP4発現の違いを観測することができた(Fig. 1)。また、拡散時間を長くとることで、この変化はより顕著になった。
本報告では細胞膜水透過性を含む生体拡散モデルを紹介するとともに、それらを用いて実験で得られたデータを解析し、細胞内外の水交換時間算出を試みる。