第45回日本磁気共鳴医学会大会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム1
先を見通す前臨床MR

2017年9月14日(木) 10:10 〜 11:50 第3会場 (栃木県総合文化センター 3F 特別会議室)

座長:犬伏 俊郎(立命館大学 総合科学技術研究機構), 青木 伊知男(国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構)

【ねらいと概要(Aims & Scope)】
 医薬品の研究開発では動物を用いて薬効や薬理作用、生体内での動態、有害な副作用などを調べる試験が臨床試験の開始前に行われることが多いため、前臨床試験と呼ばれていた。現在ではヒトで行う臨床試験に対し非臨床試験と呼ばれている(日本薬学会)。元来、MRは侵襲性が極めて低い検査方法であり、臨床試験へのハードルが高くないため、MRの非臨床試験はあまり注目されてこなかった。しかし、いきなりヒトでは試験ができない造影剤開発やMRの新しい機能の追加、MRのフロンティア開拓など、MRの前臨床試験が荷う役割は決して小さくはない。一方、MRの特性を利用して、健康な人やスポーツ選手の体力・身体機能計測から、その維持・増進に寄与するとともに、その対極にある病気の診断法や治療効果の判定法へと還元できる可能性も秘めている。本シンポジウムでは動物からヒトに至る臨床を取り巻く非臨床MRの世界を、実例を通して概観し、新しい磁気共鳴医学の未来を展望してみたい。