Riabilitazione Neurocognitiva 2021

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クリニカル・ディスカッション

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クリニカル・ディスカッション1

Sun. Oct 24, 2021 10:20 AM - 11:20 AM 第2会場 (ライブ配信)

座長:安田 真章(東京大学医科学研究所附属病院)

10:50 AM - 11:20 AM

[CD1-02] 情報を構築するツールとしての比較の特徴と臨床の応用方法

*濱田 裕幸1 (1. 東京大学大学院)

比較とは人が学習を行う上で普遍的な認知過程である.例として,スポーツの習熟や方程式の理解など,対象者はあらゆる場面において,他者と自己の比較や過去の経験と現在の状況を比較し,直面した課題を解決することを試みる.
 近年展開されている行為間比較の臨床では,観察・訓練・検証の場面でそれぞれ異なる意味にて比較を使用する.今回,訓練場面で使用する比較に焦点を当てるが,ここでの比較は,訓練で提示される認知課題(身体の特定の情報を基に回答が求められる課題)に回答するための,情報構築を促すツールの一つである.ツールとは,心理的な道具のことであり,適切な身体部位に注意を向けることや,回答に必要な知覚仮説(感覚モダリティの予測)を患者が理解することもツールとして位置付けられている.
 訓練場面の比較では,患者が認知課題に関係性を有する損傷前(病前)の行為表象の想起を行い,行為表象と認知課題間の類似点を考慮の上,再度回答を試みるというものである.この行為表象の中には,前述の身体部位への適切な注意の向け方や知覚仮説を立てることも表象内に含まれ,様々な認知過程の活性化を内在する.これらの認知過程を情報構築に使用することによって,認知課題への適切な回答に到達することが主の目的となる.
 本クリニカルディスカッションでは,訓練場面における比較の特徴とその応用方法について,実例を基に解説し,比較の適応や存在する課題について議論を展開したい.