Riabilitazione Neurocognitiva 2021

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基礎系

[S1-06] 左右方向への折り畳み機能を有したプラスチックダンボール製タブレットの開発と使用時の課題

*後藤 圭介1、吉本 光哉2、中里 瑠美子1、大房 賢五1、島田 竜輔1、降矢 芳子1 (1. 東京女子医科大学 東医療センター、2. 登戸内科・脳神経クリニック)

【はじめに】
 タブレットは、肩関節の空間情報を構築する道具の一つである。しかし、そのサイズや重量の観点から、使用できる環境が限られてしまう。タブレットを容易に携帯できれば、訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)やベッドサイドでの治療の幅が拡がることが期待できる。そこで本稿では、左右への折り畳み機能を有したプラスチックダンボール(以下、プラダン)製タブレットの作成方法と、臨床場面で使用した際の課題について紹介する。

【方法】
 1. 材料:板部分の材料は、45cm四方にカットしたプラダンを2枚、両面テープ、ガムテープを用いた。傾斜台部分の材料は、ワイヤーネット(以下、ネット)、連結ジョイント、フックを用いた。
 2. 作成方法:板部分の左右方向への折り畳み構造は、プラダンの中空リブ構造を利用して、板の片面のみに切り込みを入れることによって実現した。また、板の強度を増すために、もう一枚のプラダンを2分割し、裏面に貼って補強した。傾斜台部分は、縦62cm×横19cmのワイヤーネットを縦42cm×横19cmサイズ(2枚)、縦20cm×横19cm(1枚)となるようにカットした。これらを連結ジョイントで接続し、傾斜台の骨格を作成した。また、2つのフックを取り付けて、板を載せられる構造を施した。
 3. プラダン製タブレット使用時の課題の調査:作成者とは異なる協力者(訪問リハに従事するセラピスト1名)が、このプラダン製タブレットを約2年間使用し、その使用に伴う課題を聴取した

【結果】
 プラダン製タブレットの折り畳み時のサイズは、縦45cm×横23cm×厚み5cmであった。重量は約800gであった。訪問リハの現場での使用に伴う課題は、タブレットの固定性の弱さ、および在宅環境でタブレットを設置する高さ調整の難しさであった。

【考察】
 今回、携帯性に優れた軽量かつ左右方向に折り畳めるプラダン製タブレットを自作した。このプラダン製タブレットは、従来の木製タブレットを持ち運びにくい現場においてタブレットを用いた認知課題の提供を可能にさせた。しかし、軽量化に伴う道具の固定性の弱さや、使用環境による高さ調整の困難さが課題としてあがり、臨床応用するためにはこれらに対処する工夫が必要であった。

【倫理的配慮(説明と同意)】
 ヘルシンキ宣言に則り、調査協力者に研究の内容と目的を十分に説明し、同意を得た上で行った。