Riabilitazione Neurocognitiva 2021

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一般演題

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神経系(下肢/体幹)

[S3-02] くも膜下出血を呈し歩行能力低下した症例
ー 花見がしたい ー

*久高 遼介1、深谷 敏行1、大和 志保2 (1. 訪問看護リハビリステーション元氣村あさひ、2. 社会医療法人 ジャパンメディカルアライアンス 座間総合病院)

【はじめに】
 くも膜下出血を呈し、左足底に感覚鈍麻と痺れを認め、歩行能力が低下した症例に対して、足底の接触空間、足部と各関節の空間関係に着目し介入したが、歩行自立には至らなかった。しかし、行為間比較を実施した結果、歩行能力が向上し、歩行自立に至ったため報告する。

【症例】
 83歳男性。発表に対し説明を行い、同意を得た。本症例は発症して4ヶ月後に退院され、1回3単位、週2回の訪問リハビリを6ヶ月間実施した。左Brs.Ⅵ-Ⅴ-Ⅵ。表在感覚は7/10と軽度鈍麻し、左足底に痺れを認めた。歩行は杖と腋窩介助を要し、外部観察は体幹前屈し左側屈位、左臀部後退を認めた。視線は足元を向き、内省は「左足の裏に何かあり、ふわふわしている。下を見たり何かに摑まらないと危ない。」と記述した。

【病態解釈】
 感覚障害や痺れにより、左緩衝期~支持期における足底の触圧覚の細分化や足部と各関節との空間関係構築が困難となり、予測と感覚フィードバックの照合の整合性が得られていないため、歩行能力が低下していると考え介入した。

【治療アプローチ及び経過】
 スポンジと表面素材を使用し、足底の圧識別課題、足部と各関節の空間課題を実施した。表在感覚は9/10、左足底の痺れは軽度に改善し、介入2ヶ月後に杖歩行近位見守りとなった。歩行能力はTUG:1分6秒で「ふわふわする感じはだいぶ薄れてきたが、まだ不安定。」と内省の変化が得られたが、歩行能力は低い状態であった。運動イメージは「前とは歩く速さが違うと思うが、歩き方はそれ程変わらないと思う。」と記述したため、行為間比較を実施することで更なる歩行の回復が得られるのではと考え、訓練変更し、4ヶ月間介入した。

【結果】
 痺れは改善され、歩行能力はTUG:21秒となり、室内杖歩行自立となった。周囲を見渡しながらの歩行も可能となり、歩行中の姿勢も改善した。屋外は1km程を見守りで可能となり、ご家族と花見に行くことができた。内省は「床や地面を感じる。足首の使い方や体重の乗せ方が大事。退院時は、お尻が出て、前かがみだったが、今は真っすぐ。」と変化した。

【考察】
 足底圧の細分化、足部と各関節の空間構築を実施したが、それ以上の回復は得られなかった。行為間比較を通したことで、予測と感覚フィードバックの照合の整合性が得られ、運動イメージが修正されたことで歩行能力が向上したと考える。