16:20 〜 17:10
[SD-01] 身体との対話から生まれた新たな世界 〜身体性・社会性の一人称言語〜
リハビリテーションの臨床は、対象者とセラピストが共に協力して創り上げる一つの世界である。その中で、身体性や社会性に関わる「身体意識」や「身体表象(イメージ)」といった対象者の主観的世界を知るためには、客観的に観察される現象(認知科学や脳科学的解釈)と主観的な対象者個人の経験(現象学的解釈)を相互補完する必要がある。対象者とセラピストの共有世界が厳密に同じであるかどうかは知りようがないが,対象者の語り(一人称言語)を聴取し分析することで、同じ世界を推論することはできる。本プログラムの目的は、まさに対象者の一人称言語に耳を傾け、対象者の主観的世界、すなわち認知プロセスを知ることである。
講師の櫻井氏は、2008年20歳で受けた腰椎椎間板ヘルニアの手術後に車椅子生活となり、強い疼痛とクローヌスなどの身体の変容に悩まされ、2011年から摂南総合病院にて認知神経リハビリテーションを受けることになった。その後、2014年に車いすフェンシングを始め、2021年車いすフェンシング選手として東京パラリンピック日本代表に選出された。本プログラムでは櫻井氏に、身体性が一変した発症時から、東京オリンピック出場を果たした現在に至るまでの身体経験を語っていただく。自分の身体や運動をどのように経験してきたか、自己や他者、社会に対するイメージがどのように変化していったかを語っていただき、奥埜氏との対談を通じ身体や社会における認知プロセスの変遷について考える機会とする。麻痺や疼痛が生じる身体との対話から生まれた新たな世界、その認知プロセスの変遷を知る貴重な機会である。本プログラムは、日々の臨床現場で社会生活を送るための様々な行為の獲得(学習)を目指している対象者、並びにリハビリテーション従事者に、新たな視点をもたらしてくれるはずである。
講師の櫻井氏は、2008年20歳で受けた腰椎椎間板ヘルニアの手術後に車椅子生活となり、強い疼痛とクローヌスなどの身体の変容に悩まされ、2011年から摂南総合病院にて認知神経リハビリテーションを受けることになった。その後、2014年に車いすフェンシングを始め、2021年車いすフェンシング選手として東京パラリンピック日本代表に選出された。本プログラムでは櫻井氏に、身体性が一変した発症時から、東京オリンピック出場を果たした現在に至るまでの身体経験を語っていただく。自分の身体や運動をどのように経験してきたか、自己や他者、社会に対するイメージがどのように変化していったかを語っていただき、奥埜氏との対談を通じ身体や社会における認知プロセスの変遷について考える機会とする。麻痺や疼痛が生じる身体との対話から生まれた新たな世界、その認知プロセスの変遷を知る貴重な機会である。本プログラムは、日々の臨床現場で社会生活を送るための様々な行為の獲得(学習)を目指している対象者、並びにリハビリテーション従事者に、新たな視点をもたらしてくれるはずである。