Riabilitazione Neurocognitiva 2022

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臨床実践報告

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[CPR] 臨床実践報告①

Sat. Oct 1, 2022 12:50 PM - 2:20 PM 第2会場 (ライブ配信)

座長:内倉 清等(潤和会記念病院)

12:50 PM - 1:20 PM

[CPR-01] 認知神経リハビリテーションの言語訓練を参考にパントマイム訓練を展開した失行症例

*横山 航太1 (1. 新札幌パウロ病院)

認知神経リハビリテーション(以下,NCR)の言語訓練は絵カードの意味単位を変化させるという手続きで患者が注意を向けるべき対象が動詞,名詞または目的語なのかを変化させながら訓練を展開する.例えば,目的語を変化させたい場合には「女の子が アイスクリーム/ぶどう/パン/菓子 を食べている」という図柄の絵カードを提示し,注意を向ける対象を明確化(取捨選択)させながら訓練を実施する.今回,道具使用のパントマイムで特徴的なエラーが生じていた失行症例に対してNCRの言語訓練を参考に,注意を向ける対象を明確化させながらパントマイムの解読・産出訓練を実施し,生活場面での道具使用時における失行症状の改善を認めたため報告する.
 今回提示する症例は心原性脳梗塞を呈した60歳代前半の男性で明らかな麻痺は認めず,失語症と失行症が主症状であった.標準高次動作性検査では上肢慣習的動作,上肢物品を使う動作(物品なし)で誤反応率が高かった.模倣は比較的良好で,道具の使用は自然状況下では遂行できる場面は多いが,他者から依頼されると遂行できなかった.道具を使用しないパントマイムでは解読・産出共にエラーがみられ,解読ではセラピストの道具を持つ手の形や手関節の動きに注意が向きにくく,産出も同様に持ち方や手関節の動きでのエラーが多く,1度間違えると保続様に同じ間違いを繰り返していた.BPOも認められた.
 訓練では,いくつかの道具が描かれた絵カードを用いて道具使用のパントマイムの解読・産出訓練を実施した.症例は模倣が比較的良好であったため,パントマイムの解読→パントマイムの模倣→パントマイムの産出という手順で訓練を展開した.絵カードで提示する道具は「箸/スプーン/コップ/電気シェーバー」のように顔へ近付けるという上肢の動きは一緒だが道具の持ち方が異なるように設定し,パントマイムを観察する上で必要な情報の取捨選択を求めた.また,NCRの言語訓練と同様に産出訓練では症例に問題を出してもらうという方法で実施した.
 本セクションでは,動画を用いて評価・訓練場面を提示し,本症例に対する病態解釈と考察を報告させていただく.