11:40 〜 12:10
[CD-02] 脳梗塞後遺症により右片麻痺を呈した症例への介入経験- 行為の学習を促進させるための目標設定ツールの活用 -
【はじめに】運動プログラムの生成には対象者の意図が重要な要素であるが,意図を考慮した関わりに難渋する事例を多く経験する.今回,脳梗塞後遺症により右片麻痺を呈した症例に行為の学習を促進させるため,目標の段階付けを行って評価するGoal Attainment Scaling(GAS)を使用した結果,歩行能力の向上を認めた事例から,志向性を加味した関わりによる片麻痺の学習支援について議論したい.
【症例紹介】5年前に脳梗塞発症.右片麻痺が残存.半年前よりリハビリテーション目的で当通所介護施設利用開始となる.歩行に対して漠然とした希望が聞かれたが,GASを使用し歩行に対しての目標を5段階に細分化すると「少し距離のあるスーパーに行きたいがちょこちょこ歩きで疲れるから行けない」と具体的な目標と問題点が挙がった.観察上,遊脚期でのハムストリングスの伸張反射亢進による歩幅の減少を認めた.評価的訓練では,膝関節の運動覚異常,膝関節運動覚と足底感覚の統合異常,視覚-体性感覚の変換エラーがみられ歩行時のハムストリングスの伸張反射の亢進の要因と考えた.
【訓練】主に膝関節空間課題を実施した.課題中,ハムストリングスの伸張反射の亢進を認めたが,筋感覚に注意を向けながら実施すると減弱し,行為との関係性を踏まえた発言も聞かれた.
【結果】遊脚期に改善がみられ少し距離のあるスーパーに行くことが可能となった.「真直ぐの道・信号・凸凹など状況に応じて少しだけど膝の感覚を意識して歩くことができた.」と訓練以外の場面でも汎化を認めた.
【考察】行為の学習には,自ら環境と相互作用し学習する自律性が重要である.今回,目標を明確化し意図を持って訓練に取り組むことが自律性を高め,訓練以外の行為へ汎化する可能性が示唆された.
【倫理的配慮,説明と同意】本発表に関して,症例に書面にて説明し同意を得た.
【症例紹介】5年前に脳梗塞発症.右片麻痺が残存.半年前よりリハビリテーション目的で当通所介護施設利用開始となる.歩行に対して漠然とした希望が聞かれたが,GASを使用し歩行に対しての目標を5段階に細分化すると「少し距離のあるスーパーに行きたいがちょこちょこ歩きで疲れるから行けない」と具体的な目標と問題点が挙がった.観察上,遊脚期でのハムストリングスの伸張反射亢進による歩幅の減少を認めた.評価的訓練では,膝関節の運動覚異常,膝関節運動覚と足底感覚の統合異常,視覚-体性感覚の変換エラーがみられ歩行時のハムストリングスの伸張反射の亢進の要因と考えた.
【訓練】主に膝関節空間課題を実施した.課題中,ハムストリングスの伸張反射の亢進を認めたが,筋感覚に注意を向けながら実施すると減弱し,行為との関係性を踏まえた発言も聞かれた.
【結果】遊脚期に改善がみられ少し距離のあるスーパーに行くことが可能となった.「真直ぐの道・信号・凸凹など状況に応じて少しだけど膝の感覚を意識して歩くことができた.」と訓練以外の場面でも汎化を認めた.
【考察】行為の学習には,自ら環境と相互作用し学習する自律性が重要である.今回,目標を明確化し意図を持って訓練に取り組むことが自律性を高め,訓練以外の行為へ汎化する可能性が示唆された.
【倫理的配慮,説明と同意】本発表に関して,症例に書面にて説明し同意を得た.