1:40 PM - 2:30 PM
[CS-01] 運動学習理論のこれまでとこれからを考える
運動学習理論の先駆けは,それまでの運動制御理論の中で考えられてきた反射-反応理論の発展として提唱された閉ループ理論(Adams, J Mot Behav, 1971),スキーマ理論(Schmidt, Psychological Review, 1975)である.これらは,フィードバックや誤差検出の概念を取り入れた画期的な理論であった.とりわけ,スキーマ理論は,一般化運動プログラムの形成(再生スキーマと再認スキーマ)によって,閉ループ理論における最大の欠点とされていた「膨大なパラメータの学習量」を大幅に減ずる理論として今日もその応用が検証されている.しかしながら,スキーマ理論で説明可能な運動学習は,力量や関節角度の調整など課題間の類似性が高い場合の学習であり,条件や環境が大きく変わる中での運動学習は説明困難となる.その他,環境からの知覚手がかりによる運動の誘発を最重要視し,理論的には条件や環境への変更に対応可能なアフォーダンス理論(Gibson, Ecological Approach to Visual Perception, 1979)を用いた検証がなされている.
一方,認知神経リハビリテーションは,上記の諸理論を踏まえ,認知過程(知覚・注意・記憶・判断・言語・イメージ)の活性化を想定している点が特徴である.認知神経リハビリテーションの実践では,「行為の学習を対象者の回復そのもの」として捉え,様々な道具(すなわち環境)との相互作用によって行為の学習(運動学習)を目指す.この行為の学習には,対象者のリハビリテーションへの能動性がカギとなる.この能動性は,行為の学習の仕方の学び(メタラーニング)の促進にもつながる.
本発表では,これまでの運動学習理論を概観すると共に,認知神経リハビリテーションの強みをおさらいする.そこに能動性というキーワードを融合させ,メタラーニングの理解の基礎となるよう話を展開したい.
一方,認知神経リハビリテーションは,上記の諸理論を踏まえ,認知過程(知覚・注意・記憶・判断・言語・イメージ)の活性化を想定している点が特徴である.認知神経リハビリテーションの実践では,「行為の学習を対象者の回復そのもの」として捉え,様々な道具(すなわち環境)との相互作用によって行為の学習(運動学習)を目指す.この行為の学習には,対象者のリハビリテーションへの能動性がカギとなる.この能動性は,行為の学習の仕方の学び(メタラーニング)の促進にもつながる.
本発表では,これまでの運動学習理論を概観すると共に,認知神経リハビリテーションの強みをおさらいする.そこに能動性というキーワードを融合させ,メタラーニングの理解の基礎となるよう話を展開したい.