Riabilitazione Neurocognitiva 2023

Presentation information

指定演題

口述発表

[DP] 指定演題①

Sun. Oct 8, 2023 9:20 AM - 10:05 AM 第3会場 (B1F ギャラリー1)

座長:加藤 祐一(結ノ歩訪問看護ステーション)

9:35 AM - 9:50 AM

[DP-02] 認知神経リハビリテーションによる介入の効果検証としての定量的評価

*金 起徹1 (1. 医療法人 香庸会 川口脳神経外科リハビリクリニック)

 日々の臨床業務において評価は疾患特性や身体機能を把握し、問題点を抽出するために行い、その評価を基に介入の方向性を決定する。また、この介入の有効性を検証するために再度評価が必要となるため、理学療法プロセスにおいて評価が重要なことは周知の事実である。理学療法における評価とは身体の諸機能の状態、疾病により患者の日常生活動作、あるいは、生活の質がどのように変容したかを把握するためのもので、評価が行われたその時点での対象者の状態や、継時的な評価により対象者の状態の変化を知ろうとするものである。  一方、認知神経リハビリテーション(以下、認知神経リハ)は神経現象学の考え方を応用した理論であり、対象者自身の主観的な経験や記述を重要視しており、客観的に観察される現象に加えて、主観的な対象者の語りを評価として用いることが多い。つまり、外部観察で得られたデータを定量的に測定しつつ、対象者の主観的な経験や記述も評価することが重要である。そうすることで、疾患に対する適切な現状把握と病態解釈が可能となり、仮説検証プロセスを踏むことができる。しかし、一人称的な記述や経験を評価することは容易ではなく、認知神経リハによる介入の効果検証に悩むことが多い。
 今回の指定演題では当院で評価しているアウトカムを紹介しつつ、認知神経リハの効果検証について工夫を行った2症例を提示し議論をしたい。1症例目は人工膝関節全置換術後に“膝が棒みたい”と内省され、Stiff knee gaitパターンを認めた症例に対する経過を患者立脚型アウトカムと簡易的な動画解析から評価した症例を紹介する。2症例目はすくみ足を認めたパーキンソン病症例に対する経過をテキストマイニング法にて内省を定量的に評価した症例を紹介する。
 今回の指定演題にて私なりの認知神経リハによる介入の定量的な効果検証を紹介しつつ、今後どのようにして臨床へ還元できるのかを皆さまと議論したい。