Riabilitazione Neurocognitiva 2023

Presentation information

一般演題

ポスター発表

[P7] その他

[P7-01] 認知理論に基づく全自動オンラインリハビリシステムの開発

*生野 達也1 (1. 動きのコツ研究所リハビリセンター)

【はじめに】
 演者はこれまで当学会にて報告してきた、道具を用いない行為を用いた認知課題や、自主リハビリ用動画(2015,2018)を用いて、YouTubeにて自主リハビリ動画の配信をしてきた。その中で「次にどの動画を見れば良いかわからない」という声が多数あった。また、コロナ禍における脳卒中当事者の閉じこもりに対して実施した「リハビリ動画支援」の中で、問診内容に応じて複数のリハビリ動画を提供することで、自主リハビリが促進された事例を経験した。そこで、複数のリハビリ動画を組み合わせることで、次にみるべきリハビリ動画が提供されるという、認知理論に基づく全自動オンラインリハビリシステム「ひとりdeリハ®︎」を開発した。今回は、その工夫点や今後の課題について報告する。

【工夫点】
 傍らにリハビリ専門家がいなくても、ひとりで自宅でリハビリを行うことを目的として、以下①〜⑦の工夫を行った。①身体症状の種類ごとに複数の動画シナリオを作成した、②各動画シナリオは、身体の変化を実感しやすくするために難易度の低い「座位」から開始することとした、③日常生活へ汎化しやすい工夫として、道具を用いない行為を用いた自主リハビリ動画を770本作成した、④身体の変化を実感しやすくするために1本の動画毎に初期・最終評価を設けた、⑤1本の動画毎に身体の変化が実感できたか否かを選択させ、次に実施すべき動画を自動出力させた、⑥身体の変化に関する経過を実感できるために定期的に非麻痺側を10点として麻痺側の点数を記録させた、⑦モチベーション維持を目的として、テレビ電話を用いたユーザー同士のリハビリ成果報告会を定期開催した。なお、本システムについては特許を取得している(特許第6942932号)。

【経過】
 リハビリ成果報告会の中で「日々コツコツ動画を見てリハビリすると成果が実感できる」「出てきた動画が自分に本当にあっているか不安になることもある」「定期的にみんなと会えるからリハビリを頑張れる」という声が聞かれた。

【考察と課題】
 一定の効果が得られているものの、ユーザーの身体状況に合った動画選定の質やモチベーションの維持に課題があると考えた。当システムはまだ効果検証はまだ実施できていない。本年、実証実験を予定しており、効果検証については今後の課題とした。