[AL1-2] 精神神経疾患の脳波による診断技術の開発
深層学習などのAI技術は画像認識や音声認識などの精度を飛躍的に向上し様々な産業分野で技術革新につながっている。医療においてもAI技術の活用は加速的に増加しており、すでに幾つかのAI診断医療機器プログラムが米国食品医薬品局(FDA)に承認されている。日本においてもAIを使った新しい医療の開発が進んでいる。脳波は多くの医療機関で利用できる安価で非侵襲的な検査であるが、その判読には専門的な知識と経験を要することが、幅広い利用を妨げている。また、てんかんや認知症など機能性疾患においては、MRIなどの画像診断とは異なる情報を得られることが期待されるが、脳波から得られるバイオマーカについては、十分に解明されていない。我々は、てんかんや認知症の安静時脳波を多施設共同で収集し、独自に開発した深層学習モデルを用いて学習することで、安静時脳波から精神神経疾患を自動で診断するAIの開発を進めている。本レクチャーでは、脳波による診断技術の開発における現状と課題を紹介する。