[BL11-2] きれいな脳波を記録するTIPS
【はじめに】脳波検査は新生児・小児においては脳の発達の過程、てんかんの診断・病型判定、けいれんや意識障害の評価、器質性脳障害や睡眠異常の診断に用いられる。脳波検査方法は、安静時だけでなく、賦活法(睡眠、開閉眼、光刺激、過呼吸、睡眠など)で誘発される突発波がないかを調べる。きれいな脳波を記録するということは、判読できる脳波を記録することであるとも言える。【判読できる脳波方法】脳波電極の位置は、10・20電極法でありメジャーの計測により導出部位を割り出し左右差のない装着をする。電極の接触抵抗は、外来の場合は10KΩ以下、病棟・および脳死判定の場合は2KΩ以下にする。アーチファクトのない脳波を記録する。正しい賦活法を行う。【脳波電極の装着方法】実寸の10%、20%の表を作成し、それに従ってマジックで印をつけていく。スケールは湾曲できるものを使用する。【接触抵抗を落とす方法】装着部位の頭皮をきれいに分けて、皮膚を研磨剤などで角質分をおとし、ペーストを少しすり込み電極を装着する。接触抵抗を落とすことも重要ですが、各電極間の接触抵抗の差がないようにすることも重要である。【アーチファクトの種類と対処法】筋電図は、緊張や無意識にどこかに力が入っている場合に出現する。特に高齢者は口を閉じていると混入している場合が多く、軽く口を開けるよう促す。眼球運動・瞬きは、緊張している場合に出現しやすく、緊張を和らげるようにする。止まらない時はタオルなど眼に乗せるなど書いてあるが、タオルでは軽くて消失しない場合もあるので注意する。発汗による基線の揺れは、小児が寝始めるとかなり出現する。エアコンなどで気温調節する。心電図の混入は、被験者が太っているか、新生児に多く混入する。限局的に出現する場合は、接触抵抗が高い場合があるので注意する。脈波は、血管の上に電極を装着した時に脈動が混入する。電極の位置をずらすことで消失する。交流は、病棟での検査の場合多く混入する。接触抵抗を下げること、電極リードを束ねることで消失する。【賦活法のこつ】開閉眼は、通常10秒の開眼で行うが、高齢者の場合や眠気のある場合は、10秒より長く開眼させること、何回か実施させることがα抑制を確認できる。光刺激は、時々声をかけながら覚醒状態を保つように心がける。過呼吸は、呼吸することで力が入り、口や頭が動くことでアーチファクトが入りやすくなるので、軽く口を開口させて頭が動かないように支持する。睡眠は、前日睡眠不足にしてきてもらうようにする。【まとめ】脳波検査の基礎や波形をしっかり取得し、検査数を増やして技術を取得していただきたい。