[BP-1] 難治部分てんかん患者における皮質間ネットワークの特徴と臨床所見との関連:皮質皮質間誘発電位を用いた検討
目的:難治部分てんかん患者の脳内ネットワークの構造の特徴やその変容については不明な点が多い。本研究は皮質皮質間誘発電位(CCEP)を用いて電気生理的ネットワーク構造と臨床所見との関連について検討した。方法:難治てんかんの術前評価目的で硬膜下電極を留置した15例の全電極(1556電極)で1Hzの電気刺激によりCCEPを測定、50ms以内の誘発電位振幅がbaselineの6SD以上の電極を有意結合とし(隣接電極は除く)、皮質間ネットワークを作成した。ネットワーク密度(結合/理論的にあり得る全結合)と罹病期間、内服薬剤数、留置電極数、焦点切除術後の発作再発との関連を検討した。結果:罹病期間、内服薬剤数、留置電極数はネットワーク密度との相関を認めず。振幅30SD以上の強結合の密度は、術後の発作再発群で非再発群より低下を認めた。結語:検討した臨床所見では、術後の発作再発が脳内ネットワーク密度の低下と関連を認めた。