[BP-3] パーキンソン病に対する深部脳刺激療法後の脳波β位相-広域γ振幅カップリングの変化に関する検討
【目的】パーキンソン病(PD)患者に対する深部脳刺激療法(DBS)が、一次運動皮質のβ帯域位相-γ帯域振幅カップリングに与える影響について検討した。【方法】PDに対しDBSを施行した21名の患者を対象とした。DBS治療前及び治療1年後に、DBS刺激offの状態で安静閉眼脳波を測定した。一次運動皮質の脳波記録を解析するため既報を参考に、症状が右側優位の患者はC3電極、左側優位の患者はC4電極の記録を解析に用いた。β帯域(13-30Hz)位相に合わせて広域γ帯域(60-150Hz)の振幅がどの程度変動するかを、カルバック・ライブラー距離を用いた一様分布からの差Modulation Index(MI)として算出した。DBS前後のMIの変化をWilcoxon符号付順位検定で検討した。【結果】MIは治療前と比較しDBS1年後に優位に低下した(中央値 DBS前6.6×10-5 vs DBS後4.0×10-5、p=0.02)。【結論】PDに対するDBSは、PD患者のβ帯域位相-γ帯域振幅カップリングを低下させる。