[BP-5] うつ病における両側背外側前頭前野間のTMS-EEG機能的結合性の低下と同指標を用いたrTMS療法に対する治療反応性予測
【目的】本研究では、経頭蓋磁気刺激(TMS)に対する脳波活動(EEG)を用いて、うつ病の半球間信号伝達の障害を計測し、rTMS療法の治療予測因子になりうるかを調べた。【方法】治療抵抗性うつ病(n = 51)および健常被験者(n = 16)の左背外側前頭前野に対してTMS-EEG同時計測法を実施。うつ病被験者にはその後30回の反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS療法)を実施し、その反応性を調べた。【結果】うつ病群ではTMS刺激に対する両側背外側前頭前野間のalpha帯域の機能的結合性の有意な低下が認められた。さらにrTMS療法抵抗群(59%)は、反応群(41%)に比べ、同帯域の機能的結合性の有意な低下が認められた。【結論】うつ病の病態にalpha帯域を中心とした半球間信号伝達の低下が関与している可能性を示した。また本結果はrTMS療法の治療部位・頻度と一致しており、個々人の機能的結合性をターゲットにしたうつ病に対するPrecision Medicineの開発に繋がりうる。