[CSP10-4] 脊椎固定術における生体活性チタン多孔体インプラントの開発と臨床応用
【はじめに】2001年に多孔体チタンの作製に成功、表面処理を加えることで骨伝導能のみならず骨誘導能を付与できることを確認、高強度人工骨としての基礎研究を開始した。2004年にモノづくり企業が参画、2008年から医師主導での自主臨床試験を実施、2013年に外資系出口企業が参画、2018年にPMDAから製造販売承認を取得した。低侵襲腰椎側方固定を骨移植なしで行える本邦発の脊椎固定用ケージ・X-TALが市販化された。現在では30施設以上で2000個以上の使用実績がある。本講演では開発の経緯と当院での初期の症例の臨床成績について紹介する。
【方法】2018年8月から2019年6月までに手術が行われ、術後12ヶ月以上の経過観察が可能であった25例を対象とした。手術時平均年齢62.6才、男性12例、女性13例、術式はXLIF17例、OLIF8例、1椎間固定21例、2椎間固定4例であった。全例で骨移植は行わず、後方椎弓根スクリュー固定を併用した。臨床成績は術前、術後6ヶ月および12ヶ月のJOAスコアと改善率、ODI、腰痛VASスコア、合併症を評価し、画像評価は術後6ヶ月、12ヶ月でのレントゲン機能撮影とCTを用いた骨癒合判定、ケージの沈み込み、ケージ周囲のcyst形成を評価した。
【結果】術後6ヶ月と12ヶ月でのJOAスコア改善率は平均82.5%、84.0%であった。JOAスコア(15.8→26.8→27.0)、ODI(19.3→6.6→6.9)、腰痛VAS(4.9→1.6→1.2)いずれも術前後で有意に改善していた。合併症は認めず、骨癒合率は6ヶ月で88%、12ヶ月で92%であった。2mm以上のケージの沈み込みを6ヶ月で1例(4.2%)に認めたが、12ヶ月では進行を認めなかった。ケージ周囲のcyst形成は6ヶ月で1例(4.2%)に認めたが、12ヶ月で縮小していた。
【考察】X-TALの初期使用群25例の骨癒合率は当院における従来型ケージの骨癒合率93% とほぼ同等であり、おおむね良好であった。手術直後に認められたケージと椎体終板とのギャップは消失する傾向にあり、生体活性チタン多孔体の骨伝導能ならびに骨誘導能による効果であると推測された。従来ケージではケージ内部を新生骨が架橋することで骨癒合が完成するが、X-TALではケージ表面に骨が侵入することでより早期に骨癒合が得られる可能性が示唆された。今後は適応拡大ならびに処理方法の改良、積層造形の導入による製造方法の改良を進めて行く。
【方法】2018年8月から2019年6月までに手術が行われ、術後12ヶ月以上の経過観察が可能であった25例を対象とした。手術時平均年齢62.6才、男性12例、女性13例、術式はXLIF17例、OLIF8例、1椎間固定21例、2椎間固定4例であった。全例で骨移植は行わず、後方椎弓根スクリュー固定を併用した。臨床成績は術前、術後6ヶ月および12ヶ月のJOAスコアと改善率、ODI、腰痛VASスコア、合併症を評価し、画像評価は術後6ヶ月、12ヶ月でのレントゲン機能撮影とCTを用いた骨癒合判定、ケージの沈み込み、ケージ周囲のcyst形成を評価した。
【結果】術後6ヶ月と12ヶ月でのJOAスコア改善率は平均82.5%、84.0%であった。JOAスコア(15.8→26.8→27.0)、ODI(19.3→6.6→6.9)、腰痛VAS(4.9→1.6→1.2)いずれも術前後で有意に改善していた。合併症は認めず、骨癒合率は6ヶ月で88%、12ヶ月で92%であった。2mm以上のケージの沈み込みを6ヶ月で1例(4.2%)に認めたが、12ヶ月では進行を認めなかった。ケージ周囲のcyst形成は6ヶ月で1例(4.2%)に認めたが、12ヶ月で縮小していた。
【考察】X-TALの初期使用群25例の骨癒合率は当院における従来型ケージの骨癒合率93% とほぼ同等であり、おおむね良好であった。手術直後に認められたケージと椎体終板とのギャップは消失する傾向にあり、生体活性チタン多孔体の骨伝導能ならびに骨誘導能による効果であると推測された。従来ケージではケージ内部を新生骨が架橋することで骨癒合が完成するが、X-TALではケージ表面に骨が侵入することでより早期に骨癒合が得られる可能性が示唆された。今後は適応拡大ならびに処理方法の改良、積層造形の導入による製造方法の改良を進めて行く。