[CSP11-2] 脳卒中における睡眠関連呼吸障害-raw dataでないと見えないもの
脳卒中と睡眠関連呼吸障害の両者は関連が深く、Johnsonら(2010年)のメタ解析によると、脳卒中と一過性脳虚血発作においてAHI 10/hを超える睡眠関連呼吸障害の頻度は50%以上とされている。
脳卒中による脳障害が呼吸調節中枢に影響を及ぼしたとき、脳卒中後の睡眠関連呼吸障害として中枢性睡眠時無呼吸をはじめとする中枢性呼吸障害がみられる。
片山は、脳卒中における呼吸循環の調節障害のなかで、脳卒中重症例の急性期においてCheyne-Stokes呼吸をはじめとする呼吸異常がみられ、呼吸循環の調節機構は多重レベルでの制御(multi-level control system)をうけることを示した。脳卒中急性期において意識障害のみられる例において、様々な呼吸異常が認めることがあるが、慢性期になり睡眠覚醒リズムを回復すると睡眠中に呼吸異常として現れ、例えばCheyne-Stokes呼吸パターンを示す中枢性睡眠時無呼吸が観察されることがある。この呼吸異常は、通常は自覚症状を伴うことが少なく、呼吸循環動態に重大な影響を及ぼすことも少ないため、睡眠中の患者の状態を注意深く監視しないと気づかれない可能性がある。
宮本らは、脳梗塞慢性期の患者93例を対象に、睡眠時無呼吸についてPSGにて検討したところ、約55%の患者に睡眠時無呼吸が観察され、そのうち75%が中枢性無呼吸優位で、25%が閉塞性無呼吸優位であった。脳梗塞の病巣との関連をみたとき、大脳皮質梗塞ではCheyne-Stokes呼吸パターンの中枢性無呼吸、延髄外側梗塞では群発呼吸、失調性呼吸、頻呼吸、緩徐呼吸など呼吸リズムの異常が認められ、脳梗塞の病変部位と呼吸異常との関連がみられることを報告した。ゆえに、脳卒中で睡眠時無呼吸の併存がみられる患者に対しPSGを施行する際には、脳卒中発症の病態へ関与が大きい閉塞性睡眠時無呼吸以外にも、脳障害を原因とした中枢性睡眠時無呼吸がみられる可能性があることを念頭に置く必要がある。
本講演では、脳卒中患者において睡眠関連呼吸障害の病態の評価にはPSGの施行が重要であることと、PSG施行時の患者の監視とともに呼吸パターンを含め raw dataの目視的解析の重要性を強調したい。
脳卒中による脳障害が呼吸調節中枢に影響を及ぼしたとき、脳卒中後の睡眠関連呼吸障害として中枢性睡眠時無呼吸をはじめとする中枢性呼吸障害がみられる。
片山は、脳卒中における呼吸循環の調節障害のなかで、脳卒中重症例の急性期においてCheyne-Stokes呼吸をはじめとする呼吸異常がみられ、呼吸循環の調節機構は多重レベルでの制御(multi-level control system)をうけることを示した。脳卒中急性期において意識障害のみられる例において、様々な呼吸異常が認めることがあるが、慢性期になり睡眠覚醒リズムを回復すると睡眠中に呼吸異常として現れ、例えばCheyne-Stokes呼吸パターンを示す中枢性睡眠時無呼吸が観察されることがある。この呼吸異常は、通常は自覚症状を伴うことが少なく、呼吸循環動態に重大な影響を及ぼすことも少ないため、睡眠中の患者の状態を注意深く監視しないと気づかれない可能性がある。
宮本らは、脳梗塞慢性期の患者93例を対象に、睡眠時無呼吸についてPSGにて検討したところ、約55%の患者に睡眠時無呼吸が観察され、そのうち75%が中枢性無呼吸優位で、25%が閉塞性無呼吸優位であった。脳梗塞の病巣との関連をみたとき、大脳皮質梗塞ではCheyne-Stokes呼吸パターンの中枢性無呼吸、延髄外側梗塞では群発呼吸、失調性呼吸、頻呼吸、緩徐呼吸など呼吸リズムの異常が認められ、脳梗塞の病変部位と呼吸異常との関連がみられることを報告した。ゆえに、脳卒中で睡眠時無呼吸の併存がみられる患者に対しPSGを施行する際には、脳卒中発症の病態へ関与が大きい閉塞性睡眠時無呼吸以外にも、脳障害を原因とした中枢性睡眠時無呼吸がみられる可能性があることを念頭に置く必要がある。
本講演では、脳卒中患者において睡眠関連呼吸障害の病態の評価にはPSGの施行が重要であることと、PSG施行時の患者の監視とともに呼吸パターンを含め raw dataの目視的解析の重要性を強調したい。