日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

関連学会合同シンポジウム

関連学会合同シンポジウム23 脊椎手術における手術支援技術の進歩 (日本CAOS研究会)

2020年11月28日(土) 13:30 〜 15:00 第5会場 (1F C-2)

座長:小谷 善久(関西医科大学総合医療センター整形外科)、金村 徳相(江南厚生病院 脊椎脊髄センター)

[CSP23-5] 脊髄モニタリングの有用性について

近藤規明 (名古屋第二赤十字病院 医療技術部 生体検査課)

脊髄モニタリングは早期に障害を検知し、術中および術後における脊髄の不可逆的な障害、合併症を予防することを目的としている。当院では年間約400例の脊椎手術を行っており、そのうちの約85%は頚椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症といった脊椎変性疾患が占めている。2011年からは臨床検査技師がモニタリングを担当するようになり、脊椎手術のほぼ全症例で実施している。手術操作において神経損傷を回避すること、安全に止血することは重要である。特に最小侵襲脊椎手術では狭い術野であるため注意を要する。モニタリングが安全な手術の一助となる一方で、誘発電位は麻酔薬、筋弛緩薬、体温、血圧、年齢、術前からの神経学的所見など、さまざまな要素が複雑に干渉し合うため、波形の解釈に難渋するケースが多い。今回、脊髄モニタリングの有用性について当院で経験した症例を提示し、モニタリングの実際と併せて報告する。