[CSP3-5] 急性症候性発作アップデート
急性症候性発作(acute symptomatic seizure)は、従来から定義されていた概念であったが、2010年のレコメンデーションの提唱以降、この10年でより明確に定義されつつある。急性症候性発作は、てんかん重積と同様その原因となりうる疾患(誘因)によりその後の経過が異なる。急性症候性発作を定義する上で重要な点は、その原因疾患(誘因)からの経過時間である。原因疾患(誘因)よりその経過時間が異なるが、多くはその原因直後から、おおむね1週間以内に起こる発作を急性症候性発作という。その発作も、単発の痙攣から、てんかん重積のような重篤の病態までさまざまであり、その症状は背景疾患(誘因)の重症度を反映している。治療は基本的には、急性期の時期のみの治療が中心となるが、近年脳炎などの中枢神経系への強い影響を与える疾患の場合、継続した抗てんかん薬の治療が必要になる場合もあり、脳波をはじめ、さまざまな検査所見を参考に決定する。治療は、ベンゾジアゼピンを中心とした抗てんかん薬を中心に行われ、長期遷延する場合には、いわゆる麻酔薬なども考慮されることがある。