[EL1] ギラン・バレー症候群のガイドラインについて
2015-2016年頃南米を中心に流行したZikaウイルス感染は,Guillain-Barre症候群(GBS)の発症を増加させ,各地で非専門医がGBS診療に当たる事となった.しかしながら,これまで診断から治療を包括的に示したガイドラインがなかったことが分かった.こうしたことから2019年Nature Reviews Neurology誌にconsensus statement としてGBSのガイドラインが掲載された(Leonhard et al. Nat Rev Neurol, 2019).このガイドラインは,診断からリハビリ管理までの,広範囲にわたるGBS診療を10の ステップで解説したガイドラインである.Step 1と2では,典型的,非典型的GBSの臨床像に触れ,どのようなときにGBSを疑うか,また診断方法と血液検査,髄液検査,電気生理学的検査,画像検査所見について解説している.Step 3から8は,ICU入室のタイミング,治療介入のタイミング,特殊例での治療オプション,症状のモニタリング,初期合併症の管理,治療不応例への対応について触れている.Step 9と10は予後予測と リハビリテーションについての解説である.本講演では,実際のGBS症例を提示しつつ,このガイドラインを概説することにしたい.