[EL2] 日本脊椎脊髄病学会モニタリング委員会としての活動と今後の展望-この10年を振り返って-
2007年に日本脊椎脊髄病学会モニタリングワーキンググループ(当時は脊髄モニタリング委員会)の委員長を、その当時JSSR担当理事であった四宮謙一教授から拝命を受け、10年以上にわたり会を運営してきた。日本発の多くの学術研究論文を排出し、世界的にもall Japan monitoring group の仕事として認められてきた。日本国内においても16のプロクター施設でハンズオンを開催し、実戦での教育も行い多くの若手医師、MEの教育に携わってきた。また2021年には日本脊椎脊髄病学会脊髄モニタリング認定医制度も始まり、教育と資格認定制度を確立して脊髄モニタリングに携わる医師の質の向上に努めることが始まる。術中脊髄モニタリングを行う意義は、脊髄の機能状態をいかに早く的確に察知し、麻痺を予防できるかにかかっている。現段階ではアラームは波形の70%ダウンとし、脊髄の保護介入をおこなうことによって50%以上の確立で麻痺を予防してきた。もちろん疾患群によっては差があるが、髄内腫瘍で31%,胸椎OPLLで40%の麻痺を起こしていただろう患者をレスキューできている。重度脊柱変形の矯正手術でも61%の症例でレスキューされている。本日は我々の今までデーターから産出された論文の紹介を含め、脊髄モニタリングの過去と現状、さらには未来へ向けての夢を述べたいと思う。