[P1-10] Bickerstaff型脳幹脳炎における上行性網様体賦活系の障害に伴う脳波変化
【目的】Bickerstaff型脳幹脳炎(BBE)における上行性網様体賦活系の障害による脳波変化を明らかにする。【方法】血清抗GQ1b IgG抗体陽性のdefinite BBE 5例の15脳波記録を睡眠構造に留意して後方視的に検討した。【結果】意識障害時に記録された10脳波記録は全て異常であった。意識障害の程度と相関して定型的な脳波変化を認めた。軽度の意識障害患者では組織化不良の後頭部優位律動を認め、睡眠構造は保たれていた(n=5)。中等度の意識障害患者では外的刺激を加えても主にN1もしくはN2睡眠パターンを呈した(unarousable sleep-like EEG)(n=4)。高度の意識障害患者では睡眠構造は認めず、全般性徐波を呈した(n=1)。5例中3例で経過中にunarousable sleep-like EEGを認めた。【結論】BBE患者は意識レベルと相関して定型的な脳波変化を示し、しばしば特徴的なunarousable sleep-like EEGを呈した。特徴的な脳波所見はBBEの診断の契機となりうる。