日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳波一般・脳電位分布

[P1-11] 新型コロナウィルス感染患者における脳波検査の実際

真崎桂1, 持田智之1, 小口絢子2, 山田はる香1, 田島将太郎1, 秋田萌1, 荻澤恵美1, 矢冨裕1, 代田悠一郎1,2 (1.東大病院 検査部, 2.東大病院 脳神経内科)

【症例】75歳男性、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による肺炎。意識障害が生じ、脳炎、脳症が鑑別に挙がったため脳波検査を施行した。当該患者は咳嗽もあり、感染予防策に充分注意し検査を施行した。脳波像は不規則で低振幅な波が持続しており、意識障害の原因として脳炎や脳症は否定的と判断され治療方針の決定に役立った。【考察】COVID-19では脳症を呈しうるとの知見が蓄積されており、脳波検査が一定の頻度で必要となる可能性がある。今回は一回のみの施行であったが、COVID-19症例の脳波検査は大変貴重な経験であった。感染予防策に関して、個人防護具の適切な使用法の指導を受けながら検査を実施した。また、脳波計の防護も施し、機器を介しての感染拡大にも充分に注意を払った。検査後約1か月経過したが、現時点(2020年6月)において関連する院内感染は発生していない。この貴重な体験を知見とし、反省点も含めて報告したい。