[P1-13] 脳波パワー値解析によるNMDA受容体脳炎と単純ヘルペス脳炎の鑑別指標の検討
【目的】本検討はNMDA受容体脳炎(NMDARE)と単純ヘルペス脳炎(HSE)の脳波パワー値を比較し,両群を区別する指標の同定を目的とした。【方法】NMDAREとHSE各々自験9例(2009-2020年)の診断時脳波について,無作為に抽出した13秒間/ 10箇所のC3とC4電極のパワー値を算出し,各周波数帯のパワー値の総和や割合を比較した。【結果】両群のパワー値はδ帯域でいずれも最大となり,NMDAREはHSEと比較して,β帯域の割合が有意に高く(p= 0.032),一方HSEではθ帯域の割合が有意に高値であった(p=0.024)。さらにδ帯域を除く各帯域の総和に対するβ帯域の割合(Beta Ratio Except Delta: BRED)はNMDAREで有意に高値であった(p=0.0056)。【結論】BREDはNMDAREとHSEの鑑別に有用な脳波の指標になることが示された。