日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳波一般・脳電位分布

[P1-13] 脳波パワー値解析によるNMDA受容体脳炎と単純ヘルペス脳炎の鑑別指標の検討

溝口知孝, 原誠, 田崎健太, 大下菜月, 名取直俊, 廣瀬聡, 横田優樹, 秋本高義, 二宮智子, 石原正樹, 森田昭彦, 中嶋秀人 (日本大学 医学部 内科学系 神経内科学分野)

【目的】本検討はNMDA受容体脳炎(NMDARE)と単純ヘルペス脳炎(HSE)の脳波パワー値を比較し,両群を区別する指標の同定を目的とした。【方法】NMDAREとHSE各々自験9例(2009-2020年)の診断時脳波について,無作為に抽出した13秒間/ 10箇所のC3とC4電極のパワー値を算出し,各周波数帯のパワー値の総和や割合を比較した。【結果】両群のパワー値はδ帯域でいずれも最大となり,NMDAREはHSEと比較して,β帯域の割合が有意に高く(p= 0.032),一方HSEではθ帯域の割合が有意に高値であった(p=0.024)。さらにδ帯域を除く各帯域の総和に対するβ帯域の割合(Beta Ratio Except Delta: BRED)はNMDAREで有意に高値であった(p=0.0056)。【結論】BREDはNMDAREとHSEの鑑別に有用な脳波の指標になることが示された。