[P1-16] 広域周波数帯域脳波 (wide-band EEG) 解析を用いた片頭痛における脳波所見の再検討
【目的】片頭痛に関与する現象に超低周波数帯域の活動である cortical spreading depolarization(CSD)とその亜型がある。我々は片頭痛患者の脳波所見を検討した。【方法】58名の片頭痛患者(前兆のある片頭痛 [MA] 19名、前兆のない片頭痛 [MO] 39名)の頭皮上脳波を(京大IRB# R2167)、時定数0.3秒での通常判読に加え、時定数2秒でInfraslow activity(ISA: <1 Hz, ≧50 μV)を検討した。【結果】58例中29例で徐波(1-4 Hz, ≧50 μV)を認めた。後方領域(後頭部、頭頂部、後側頭部)の徐波はMA11例中9例、MO18例中9例であり、MAで後方領域に認める傾向があった(p=0.0605)。また、40歳未満で後方領域、40歳以上で側頭部に徐波を認める傾向があった。ISAはMA5例、MO8例で、全て後方領域に認めた。【結論】MAでは、MOと比較して特に若年者で後方領域に徐波を認める傾向があり、同領域がMAの病態に関与する可能性が示唆された。