日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳波一般・脳電位分布

[P1-16] 広域周波数帯域脳波 (wide-band EEG) 解析を用いた片頭痛における脳波所見の再検討

細川恭子1, 宇佐美清英2, 立岡悠1, 本多正幸3, 人見健文3, 下竹昭寛2, 松橋眞生2, 團野大介4, 竹島多賀夫4, 立岡良久5, 高橋良輔1, 池田昭夫2 (1.京都大学大学院 医学研究科 臨床神経学, 2.京都大学大学院 医学研究科 てんかん・運動異常生理学講座, 3.京都大学大学院 医学研究科 検査部, 4.社会医療法人 寿会 富永病院 脳神経内科・頭痛センター, 5.医療法人 立岡神経内科)

【目的】片頭痛に関与する現象に超低周波数帯域の活動である cortical spreading depolarization(CSD)とその亜型がある。我々は片頭痛患者の脳波所見を検討した。【方法】58名の片頭痛患者(前兆のある片頭痛 [MA] 19名、前兆のない片頭痛 [MO] 39名)の頭皮上脳波を(京大IRB# R2167)、時定数0.3秒での通常判読に加え、時定数2秒でInfraslow activity(ISA: <1 Hz, ≧50 μV)を検討した。【結果】58例中29例で徐波(1-4 Hz, ≧50 μV)を認めた。後方領域(後頭部、頭頂部、後側頭部)の徐波はMA11例中9例、MO18例中9例であり、MAで後方領域に認める傾向があった(p=0.0605)。また、40歳未満で後方領域、40歳以上で側頭部に徐波を認める傾向があった。ISAはMA5例、MO8例で、全て後方領域に認めた。【結論】MAでは、MOと比較して特に若年者で後方領域に徐波を認める傾向があり、同領域がMAの病態に関与する可能性が示唆された。