日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳波一般・脳電位分布

[P1-18] もやもや病血流再建術後の過灌流神経症状と脳波変化との関連:超低域徐波の意義

林梢1, 宇佐美清英2, 十河正弥3, 山尾幸広4, 下竹昭寛1, 舟木健史4, 人見健文5, 菊池隆幸4, 松橋眞生2, 吉田和道4, 宮本享4, 高橋良輔1, 池田昭夫2 (1.京都大学大学院医学研究科 臨床神経学, 2.京都大学大学院医学研究科 てんかん・運動異常生理学, 3.神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科分野, 4.京都大学大学院医学研究科 脳神経外科学, 5.京都大学大学院医学研究科 臨床病態検査学)

【目的】脳灌流変化に伴う脳機能変動と超低域徐波(ISA;0.01-0.5Hz)を含む脳波変化の関連性から、もやもや病患者の頭皮上脳波について検討した。【方法】当院で2019年6月から2020年6月の間にもやもや病に対して血行再建術を受けた患者11例(15歳以上)について、一過性の神経症状と頭皮上脳波の変化・脳灌流変化の関連を検討した(京大IRB #R2149)。脳波は従来の脳波帯域とISAの有無を検討した。【結果】術後、一過性の神経症状出現(異常知覚、構音障害、喚語困難)時に検査を行った4例のうち3例に症状の局在に一致して局所ISAおよび過灌流を認めた。1例はISAと確定困難な徐波を認めた。症状を認めない症例ではδ波の増加を認めたのみであった。【結論】過灌流に伴う一過性の神経症状とISAの局在が一致したことから、頭皮上ISAは術後の脳灌流変動を伴う神経症状のバイオマーカーとなりうる。今後、波形と分布の相同性に注目し、客観的なISAの判定法を検討する。