[P1-19] 硬膜下・深部電極を併用した慢性頭蓋内脳波記録の有効性と限界
【目的】本研究は,難治性てんかん患者に対する硬膜下・深部併用留置の有効性と限界を明らかにすることを目的とした。【対象と方法】2016-2019年に硬膜下・深部併用留置を行い、焦点切除後100日以上の観察期間を得た難治てんかん57例(女性29例)を対象とし、硬膜下・深部電極間での発作時早期脳波変化(EIIC)検出率と関連因子を後方視的に検討した。【結果】EIIC検出率は硬膜下電極で86.0%、深部電極で75.4%であり両群間で差はなかったが、8例で深部電極のみがEIICを検出した。EIIC検出率は発作消失率と相関しなかった。瘢痕回では深部電極のEIIC検出率が有意に低く、側頭葉てんかんでは発作消失率が有意に低かった。【結語】 硬膜下電極留置における深部電極併用の効果は限定的ではあるが、島弁蓋部などの深部焦点の探索には有用である。深部電極は病因や焦点の部位により適応を慎重に検討すべきである。