日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳波一般・脳電位分布

[P1-2] うつ病患者の安静脳波における前頭部の機能的・因果的結合性指標と経頭蓋磁気刺激療法の治療効果との関連

高野万由子1,2, 和田真孝2, 李雪梅2, 中西智也2,3, 本多栞2, 新井脩泰2, 三村悠2, 宮崎貴浩2, 中島振一郎2, 三村將2, 野田賀大2 (1.帝人ファーマ株式会社 医療技術研究所, 2.慶應義塾大学 医学部 精神・神経科学教室, 3.東京大学大学院 総合文化研究科 身体運動科学研究室)

【目的】本研究では、うつ病患者(MDD)における治療開始時点の安静脳波(rs-EEG)の機能的結合性の特徴とrTMS療法よる治療効果との関連を調べることを目的とした。【方法】健常者(HC)15名、MDD15名に対して、rs-EEGを計測した。各電極ペアに対し機能的結合性の指標であるweighted Phase Lag Index(wPLI)とPhase Slope Index(PSI)を算出し、permutation testで検定を行った。さらに、群間差の効果量が大きい領域を同定し、うつ病尺度(MADRS)スコアとの関係を調べた。【結果】MDDの前頭前野において、θ帯域とα帯域を中心に結合性指標の有意な低下が検出された。また、θ帯域のAF4-F1間のwPLI(r=0.488、p=0.065)及びα帯域のF3-C1間のPSI(r=0.470 、p=0.077)とMADRSスコア変化率との間に相関傾向が見られた。【考察】MDDの前頭前野の機能的結合性とrTMS治療効果との関連が示唆されたが、今後サンプルサイズを増やし、さらなる検証が必要である。