日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

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一般演題ポスター

一般演題ポスター 脳波一般・脳電位分布

[P1-3] 脳波異常を呈した聴神経鞘腫に伴う水頭症の1例

山岡美奈子1, 岩佐直毅1, 中瀬健太2, 眞野智生1, 中瀬裕之2, 杉江和馬1 (1.奈良県立医科大学 脳神経内科学, 2.奈良県立医科大学 脳神経外科)

【症例】78歳女性。X-2年に右小脳橋角部の聴神経鞘腫(AT)に対しγナイフ治療の治療歴あり。X-1年に物忘れが目立ち、MRIで脳室拡大を指摘され、タップテストをしたが不変であった。X年3月 MMSE 19点、水頭症の増悪を認め、髄液検査の初圧や細胞数は正常であったが、蛋白は高値(134mg/μL)を示した。認知機能は悪化し、4月 MMSE 6点まで低下し、ATに伴う水頭症が疑われた。27日に腫瘍摘出術を施行したが、術後から昏睡に陥り、脳波は全般性に鋭波や棘徐波が連続した全般性周期性放電様であった。昏睡が持続したため、脳脊髄液持続ドレナージを施行し、意識の改善を認めた。4月15日にVPシャント術(VPS)を施行し、術後から症状は改善し、27日のMMSE 17点であった。脳波も全般性不規則徐波は認めるものの、全般性棘徐波は消失し、改善傾向を示した。【考察】聴神経鞘腫に伴う水頭症の急性増悪に対し、VPSにて臨床症状の改善を認め、その経過を脳波にて観察できた。