日本臨床神経生理学会学術大会 第50回記念大会

講演情報

一般演題ポスター

一般演題ポスター 磁気刺激

[P10-1] 右側頭部rTMS中に得られた心拍RR間隔の短縮効果

緒方勝也1, 池田拓郎2, 岡真一郎2, 後藤純信3 (1.国際医療福祉大学 福岡薬学部, 2.国際医療福祉大学 福岡保健医療学部 理学療法学科, 3.国際医療福祉大学 医学部 生理学)

[目的]自律神経は島皮質など大脳皮質より制御される。よって島と密な線維連絡を持つ側頭葉の活動が自律神経機能に影響する可能性がある。本研究では側頭部にrTMSを行い、心拍変動の変化を評価した。 [方法]対象は健常成人8名。T3あるいはT4に8の字コイルの中心を合わせ、rTMSを行った。刺激は安静時閾値100%の強度、1Hzで5分間行った。心電図はrTMS前中後それぞれ5分間記録した。記録中は安静を保ち、呼吸を一定に保つよう指示した。心電図はRR間隔に加えLF, HF, LF/HFを解析した。[結果]rTMS中RR間隔がT3刺激に比しT4刺激中に徐々に短縮した。時間と刺激部位の交互作用が有意となり、T4刺激中にRR間隔がより短縮することが示唆された。[結論]右側頭葉てんかん発作時、より早期から心拍上昇が生じることが報告されている。このことから右側頭葉は自律神経機能と密接な関係があり、左側頭葉に比べ右側頭葉の活動がより心拍数に影響を与えた可能性が考えられた。