[P11-5] 経頭蓋直流電気刺激と言語訓練アプリを併用した失語症者の発話改善
【目的】慢性期失語症のニューロリハビリテーションの確立を目指して、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)の自発話訓練への効果を検証した。【方法】6名の失語症者がタブレットで行う言語訓練にtDCSを併用するセッションとshams刺激を与えるセッションに参加した。長期効果と汎化を調べるため、各セッション終了2週間後に訓練語と非訓練語に対して、呼称と文表出課題を実施した。【結果】訓練終了2週間後の呼称正答率は、訓練語、非訓練語に共に、tDCS条件の方がsham条件より有意に高かった。また、文表出では、非訓練語に対する関連語の表出と文表出は、sham条件では、訓練前と有意な差はなかったのに対して、tDCS条件では、訓練前と比べて有意な改善が認められた。【考察】本結果は言語訓練アプリとtDCSの併用により、発話機能が促進することを示し、tDCSが失語症の言語訓練効果を高めることを示唆する。